[記者発表][平成10年度1月]−[29日21時30分資料配付] 原子力安全対策課
大飯発電所2号機の原子炉停止操作中の原子炉手動トリップについて(10−86)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力117.5万kW)は、平成10年8月29日から第14回定期検査中で、平成11年1月28日17時30分より調整運転を実施しているが、本日12時00分より30%出力から50%出力に向けた出力上昇操作(制御棒引き抜き操作)を行っていたところ、14時22分に「制御棒1本炉底位置」「制御棒位置指示計重故障」警報等が発信し、制御棒53本のうち原子炉中央の1本(制御用Dバンクの制御棒:引き抜き操作中)が落下する事象が発生した。これに伴い電気出力が44.3万kWから43.5万kWに低下した。
 原子炉の関連パラメータは安定に推移しているが、原因調査のため本日17時00分より出力降下を開始し、20時00分に発電を停止した。[平成11年1月29日17時00分記者発表]

 その後、原子炉停止に向けて、制御棒の挿入操作を行っていたところ、20時21分に制御棒の位置に不揃いがあることを示す注意警報が発信したため、制御棒の挿入状態を確認したところ、制御用Cバンク8本のうち1本が他のものより下方に挿入されていたことから、20時42分に原子炉手動トリップさせた。
 なお、本事象に伴う環境への影響はない。

(通商産業省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0+ 0+


原子炉および炉内構造物構造図