[記者発表][平成10年度3月]−[19日14時30分記者発表] 原子力安全対策課
新型転換炉ふげん発電所の燃料交換プール水の漏えいについて(10−98)

 このことについて、核燃料サイクル開発機構から下記のとおり連絡を受けた。

 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉原型炉;定格出力16.5万kW)は、平成11年1月8日から第15回定期検査を行っているが、燃料交換機の分解点検後の試験として、燃料交換機上部のスナウト部を原子炉建屋内にある燃料交換プール下部の接続装置に接続し、交換機内にある燃料つかみ装置の昇降試験を行っていたところ、3月18日、19時50分「交換プール水位異常(設定値15.15m)」の警報が発信し、水位が通常水位から約10cm低下していた。
 直ちに、燃料交換機の制御補助盤等を確認したところ、燃料交換機スナウト部の排水弁が「開」となっており、燃料交換プールの水が、交換機スナウト排水弁を通じ排水系統から床面にある機器ドレンサンプに直接排水されていることを確認した。また、床面が約15m四方にわたって濡れているのも確認された。
 このため、直ちに排水弁を「閉」とするとともに、燃料交換プール下部接続装置の仕切弁を「閉」とし、19時51分漏えいは停止した。床面の漏えい水は全てふき取り、回収した。
 今回の事象による周辺環境への放射能の影響はない。

 燃料交換機のスナウト排水は、通常、排水用操作スイッチを「運転」状態とすることで排水弁が「開」となり排水されるが、今回は排水用スイッチが「停止」であるにも係わらず、排水弁が「開」状態であった。
 原因を調査したところ、当日午前中、当該排水弁の開閉動作試験を行っており、試験終了後、当該弁の制御系を通常と逆の状態で復旧した。このためスナウト排水弁が「開」となった状態で燃料交換機を燃料交換プールと接続し、スナウト排水系統から燃料交換プール水が漏えいしたものと推定された。
 なお対策については、今回の原因を詳細に分析して検討することとした。


ふげん発電所原子炉建屋断面図・燃料交換プール水漏えい状況図