[記者発表][平成10年度10月]−[19日11時資料配布] 原子力安全対策課
敦賀発電所2号機の原子炉起動と調整運転開始について(第9回定期検査)(10−57)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力116.0万kW)は、平成10年9月11日から第9回定期検査を実施していたが、10月20日に原子炉を起動し、同日、臨界となる予定である。
 今後は諸試験を実施し、10月下旬(10月23〜25日頃(*))に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、11月下旬には通商産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

*; タービンバランシング作業(調整運転開始前にタービンの回転数を上昇させて振動を測定し、振動が大きい場合には、タービンの車軸におもりを取り付け、振動が小さくなるように調整する作業)実施の有無により、調整運転の開始が前後する。


1. 燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数193体のうち、69体(うち68体が新燃料集合体で、新燃料は全て高燃焼度燃料集合体)を取り替えた。

2.

蒸気発生器伝熱管の渦電流探傷検査結果
 蒸気発生器伝熱管全数(13,524本)について、渦電流探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。

3.

安全系6.9kV母線低電圧による非常用ディーゼル発電機の起動・給電(図−1参照)
 9月24日、「安全系6.9kV母線電圧低」、「安全系480V母線電圧低」警報により、待機状態にあった非常用ディーゼル発電機2Aが自動起動し、予備変圧器から受電していた安全系6.9kV2A母線は非常用ディーゼル発電機からの受電に切り替わった(9月25日に予備変圧器からの受電状態に復旧)。
 原因は、発生当時、所内電源用制御盤内でリレーの取替作業を実施しており、その際、異物により予備変圧器保護用リレー端子間が短絡し、予備変圧器と安全系2A母線をつなぐ遮断器を開放させる信号が発信したためと推定された。<平成10年10月8日発表済>
 対策として、制御盤内の作業時において異物管理の徹底を図るよう工事要領書等を改訂するとともに、当該制御盤を含め運転上重要な制御盤の内部について一斉点検を行い、短絡や地絡等に至る可能性のある異物がないことを確認した。

4.

次回定期検査の予定
 平成11年 冬頃