[記者発表][平成10年度10月]−[28日16時記者発表] 原子力安全対策課
美浜発電所3号機の復水器の点検結果について(10−60)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 美浜発電所3号機(加圧水型軽水炉;定格出力82.6万kW)は、定格出力で運転中の10月18日12時21分、「電導度計注意」の警報が発信、その後「復水ナトリウム分析盤注意」、「蒸気発生器水質監視盤注意」の警報も発信し、2次冷却水の導電率が上昇傾向であることから、復水器伝熱管から海水が2次冷却水側に漏れ込んでいるものと判断された。
 このため、漏えいしていると判断された復水器(3A)伝熱管の点検・補修を行うこととし、海水系統の1系統を隔離するため、15時40分より出力降下を開始、17時10分に約70%出力としたが、復水器の性能が十分確保されなかったことから、21時00分に約60%出力まで降下させた。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はない。[平成10年10月18日記者発表済]

 3A復水器について、漏えい検査を実施した結果、漏えい管1本が認められ、ファイバースコープによる内面観察で、長さ1mm程度の貫通孔が確認された。また、3A復水器伝熱管全数(既施栓管219本を除く9,949本)の渦電流探傷検査を実施した結果、当該漏えい管1本のほか、信号指示値から現状で施栓した方がよいと評価された伝熱管が2本認められた。
 漏えいの原因は、伝熱管内面に貝類等が付着し、伝熱管内を流れる海水の流速が局部的に変化し、内面からの減肉が発生、進展したものと推定された。
 なお、当該漏えい管は、念のため次回定期検査時に抜管調査を実施する。
 対策としては、漏えい管1本と施栓と評価された2本の計3本の伝熱管について施栓する。また、今後の運転対応の向上に資するため、運転マニュアルや主要パラメータの監視について、改善を図っていくこととした。
 今後、伝熱管の施栓工事を実施し、漏えいのないことを確認した後、29日1時30分から出力を上昇させ、同日15時50分頃に定格出力に復帰する予定である。

(通商産業省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
評価対象外 評価対象外


概略系統図
復水器概要図・復水器詳細図