[記者発表][平成11年度2月]−[19日13時40分資料配布] 原子力安全対策課
大飯発電所2号機の原子炉手動停止の調査状況について(11−148)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力117.5万kW)は、復水器への海水漏えいのため、2月14日から電気出力を60%に降下し、復水器伝熱管等の点検・補修を実施していたところであるが、本日10時35分頃から復水器の真空度が低下しているのを運転員が確認し監視強化を行っていたが、低下傾向が続いたため、10時46分から出力降下を開始した。その後、10時49分、復水器の真空度が約580mmHgまで低下したと判断し、タービン保護のためタービンを手動で緊急停止させ、これにより原子炉も自動停止した。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はない。[2月19日12時50分発表済]

 復水器の真空度が低下した原因については、現在調査中であるが、これまでの調査で、今回の運転操作において、以下の事実が判明している。

真空度低下のため、運転員は10時46分から出力降下を開始した。
運転員は中央制御室内の監視画面(CRT)で復水器の真空度を監視していたが、この画面には発電機出力も表示されている。
この監視画面を見ていた運転員は、10時49分に、真空度が約580mmHgまで低下したと判断、当直課長もこれを確認し、真空の維持が困難と判断し、タービンの緊急手動停止の操作を行った。
復水器の真空度については、650mmHgで「復水器真空 低」の警報が発信するが、今回の低下時には、この警報は発信していなかった。

 以上のことから、出力降下の操作後、監視画面を見た際、復水器の真空度と発電機出力との指示を見間違え、真空度が約580mmHgまで低下したと誤って判断し、タービンを緊急停止させたものと考えられる。