[記者発表][平成11年度2月]−[21日11時資料配布] 原子力安全対策課
美浜発電所1号機の原子炉起動と調整運転開始について(第17回定期検査)(11−150)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 美浜1号機(加圧水型軽水炉;定格出力34.0万kW)は、平成11年12月1日から第17回定期検査を実施していたが、平成12年2月22日に原子炉を起動し、翌日、臨界となる予定である。
 その後は諸試験を実施し、2月下旬(2月24〜26日頃)に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、3月下旬には通商産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

タービンバランシング作業(調整運転開始前にタービンの回転数を上昇させて振動を測定し、振動が大きい場合には、タービンの車軸におもりを取り付け、振動が小さくなるように調整する作業)の実施の有無により、調整運転の開始が前後する。

1.

主要工事等
(1) 低圧タービンロータ取替工事(図−1参照)
 低圧タービンロータについて、耐応力腐食割れの向上等、信頼性確保の観点から、動翼円板とロータ車軸を現在の『焼嵌(やきば)め型ロータ』から、円板と車軸が一体化された『全一体型ロ−タ』に取替えた。
(2) 原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事(図−2参照)
 海外における原子炉冷却系統設備配管部での応力腐食割れ事例に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統設備の小口径配管の一部について、材質等を変更した新しい配管に取替えた。

2.

蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果
 蒸気発生器伝熱管(A−蒸気発生器、計2918本)について、健全性確認のため、渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、異常は認められなかった。

3.

燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査(26体)を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数121体のうち、40体(うち28体は新燃料集合体で新燃料は全て高燃焼度燃料)を取り替えた。

4.

敦賀発電所2号機事故を踏まえた点検(図−3参照)
再生熱交換器の点検
 美浜発電所1号機の再生熱交換器は、内筒を有しない構造であるが、今回の定期検査期間を利用して、充てん系および抽出系の連絡管曲がり部および溶接部について非破壊検査(目視検査、超音波探傷検査等)を実施し、異常のないことを確認した。

5.

次回定期検査の予定
 平成13年 春頃