[記者発表][平成11年度3月]−[8日11時資料配布] 原子力安全対策課
大飯発電所2号機の第15回定期検査開始について(11−154)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力117.5万kW)は、平成12年3月10日から約3カ月の予定で第15回定期検査を実施する。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。

(1) 原子炉本体
(2) 原子炉冷却系統設備
(3) 計測制御系統設備
(4) 燃料設備
(5) 放射線管理設備
(6) 廃棄設備
(7) 原子炉格納施設
(8) 非常用予備発電装置
(9) 蒸気タ−ビンおよび蒸気タ−ビン付属設備

1. 主要工事等
(1) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台あるポンプのうち、BおよびCポンプについて、主フランジボルト、締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検する。
(2) 原子炉容器照射試験片取出工事
 中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を計画的に取り出す。
(3) 原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事(図−2参照)
 海外における原子炉冷却系統設備の損傷事例に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統他の配管の一部について、材質等を変更した新しい配管に取り替える。
(4) 復水器伝熱管抜管調査
 今年2月14日に発生した復水器伝熱管漏えい事象について、漏えいが認められた伝熱管等を抜管し、詳細な原因調査を実施する。[平成12年2月14日、25日記者発表済]

2.

燃料取替計画
 燃料集合体全数193体のうち、36体(すべて新燃料かつ高燃焼度燃料)を取り替える予定である。

3.

運転再開予定
原子炉起動・臨界 平成12年5月上旬
発電再開(調整運転開始) 平成12年5月中旬
定期検査終了(営業運転再開) 平成12年6月上旬

4.

敦賀発電所2号機トラブル反映としての点検(図−3参照)
<検査の充実>
高サイクル熱疲労割れの点検
 過去の高サイクル熱疲労による国内外の損傷事例を踏まえ、高温・低温水の合流による温度変動が生じる類似対象箇所(56箇所)を抽出し、今定期検査以降、計画的に健全性の点検を実施する。
格納容器内第3種管の検査の充実
 設備の健全性に係る検査充実の観点から、第3種管のうち、格納容器内でプラント運転中に第1種管と同等の温度、圧力の1次冷却水が流れている再生熱交換器から化学体積制御系抽出系統および充てん系統の主冷却材管までの範囲(8箇所)について、超音波探傷検査を実施する。
再生熱交換器の点検(実施済)
 大飯発電所2号機の再生熱交換器は、内筒を有しない構造であるが、昨年の調整運転開始直後に敦賀2号機のトラブルが発生したことから、再生熱交換器の連絡管溶接部等の超音波探傷検査を実施し、健全であることを確認しているため、今定期検査では、超音波探傷検査は実施しない。