[記者発表][平成11年度3月]−[16日16時記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所3号機の定期検査状況について(蒸気発生器伝熱管全数の渦流探傷検査結果)(11−157)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉;定格出力87.0万kW)は、平成12年2月16日から第12回定期検査を実施しているが、蒸気発生器伝熱管の健全性確認のため伝熱管で全数(10,118本)について、渦流探傷検査(ECT)を行った結果、A−蒸気発生器で1本およびB−蒸気発生器で3本の計4本の伝熱管について、高温側管板内拡管部上部に、有意な欠陥信号が認められた。
 この事象による環境への放射能の影響はない。

 このため、信号が認められたB−蒸気発生器伝熱管1本について抜管調査を実施するとともに、これも含めた伝熱管4本は、管板部で閉止栓(機械式栓)を施工し、使用しないこととする。

 なお、昨年の高浜4号機第11回定期検査で同じ部位で欠陥信号が認められており、抜管調査の結果、原因は、製作時に伝熱管を管板部で拡管する際、伝熱管内面で局所的に大きい引張り残留応力が発生し、これと運転時の内圧とが相まって、伝熱管内面で応力腐食割れが発生したものとされており、今回の事象も同様と推定されている。

(通産省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−


表−1 蒸気発生器伝熱管信号指示本数および施栓状況
  A−SG B−SG C−SG 合計
検査対象本数 3,374 3,368 3,376 10,118
信号指示管本数
(管板拡管部)
既施栓管本数 14 28
累積施栓管本数 17 32


高浜3号機蒸気発生器伝熱管のECT概要図
ECT信号指示位置図