[記者発表][平成11年度4月]−[7日14時記者発表] 原子力安全対策課
新型転換炉ふげん発電所の定期検査状況について(再循環ポンプB号機の試運転時における不具合)(11−6)

 このことについて、核燃料サイクル開発機構から下記のとおり連絡を受けた。

 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉原型炉;定格出力16.5万kW)は、平成11年1月8日から第15回定期検査を行っており、原子炉冷却材再循環ポンプ(全4台)B・D号機の分解点検終了後、4月3日および5日に寸動によるポンプの試運転を実施したところ、再循環ポンプB号機のシール水注入系で「B-熱遮へい差圧高(設定値40kg/cm2)」警報が発信した。
 試運転時のパラメータ等を調査した結果、当該警報が発信した要因として、ポンプ運転時にシール水の原子炉冷却材側への流れが正常でないと考えられるため、今後、当該ポンプの分解点検を行い、原因の詳細調査を行う。
 このため、5月中旬の発電再開予定が遅延する見込みである。
 なお、本事象による環境への放射能の影響はない。

(注) ポンプ熱遮へい装置 原子炉冷却材の熱からポンプの軸受やシール部を保護するための冷却装置
シール水注入系

ポンプ内を流れる原子炉冷却材がポンプ軸にそって外部に流れるのを防ぐため、専用のシール水を注入する系統

B−熱遮へい差圧高」

B−再循環ポンプに注入されたシール水が、熱遮へい装置とポンプ軸の間の間隙を通過する前後の差圧が高いことを示す警報。



系統概要図