[記者発表][平成11年度6月]−[10日16時記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所4号機の蒸気発生器伝熱管損傷の原因と対策について(蒸気発生器伝熱管の抜管調査結果)(11−33)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉;定格出力87.0万kW)は、平成11年4月22日から第11回定期検査を実施しているが、蒸気発生器伝熱管全数(10,115本)について、渦流探傷検査(ECT)を行った結果、C−蒸気発生器の伝熱管4本の高温側管板拡管部に有意な欠陥信号指示が認められた。
 信号指示が認められた伝熱管1本について抜管を行い、詳細調査を実施するとともに、信号指示が認められた伝熱管4本は、管板部で閉止栓を施工し使用しないこととした。[平成11年5月27日記者発表済]

 信号指示の認められた伝熱管の抜管調査結果は以下の通り。

伝熱管の材料分析や金属組織調査等を行った結果、異常は認められなかった。
伝熱管内表面について浸透探傷検査を実施した結果、伝熱管拡管部の上端近傍の1箇所に約3mmの軸方向の損傷指示が認められた。
破面の詳細観察の結果、割れの最大深さは約0.8mmであり、管内表面を起点とした1次側からの粒界割れであった。
抜管後の管板穴の内径を計測したところ、内径が部分的にわずかに広がっていることが確認された。また、管板穴の径をわずかに変化させた試験体で加速割れ試験を実施したところ、管内面から粒界割れが発生し、内面に引張りの残留応力があることが確認された。

  以上のことから、原因は、製作時に伝熱管を管板部で拡管する際、管内面で局所的に引張りの残留応力が発生し、これと運転時の内圧とが相まって、伝熱管内面から応力腐食割れが生じたものと推定された。

(通産省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−


高浜4号機蒸気発生器伝熱管のECT信号指示部の調査結果
ECT信号指示管位置図・蒸気発生器伝熱管信号指示本数および施栓状況・伝熱管施栓方法