[記者発表][平成11年度6月]−[16日11時記者発表] 原子力安全対策課
大飯発電所3号機の第6回定期検査開始について(11−37)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉;定格出力118.0万kW)は、平成11年6月17日から約2カ月の予定で第6回定期検査を実施する。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。
 

(1) 原子炉本体
(2) 原子炉冷却系統設備
(3) 計測制御系統設備
(4) 燃料設備
(5) 放射線管理設備
(6) 廃棄設備
(7) 原子炉格納施設
(8) 非常用予備発電装置
(9) 蒸気タ−ビンおよび蒸気タ−ビン付属設備

1. 主要工事等
1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台あるポンプのうち、Aポンプについて、主フランジボルト、締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検する。

2.

燃料取替計画
 燃料集合体全数193体のうち、53体(うち52体は新燃料集合体で新燃料は全て高燃焼度燃料)を取り替える予定である。

3.

運転再開予定
原子炉起動・臨界 平成11年7月下旬
発電再開(調整運転開始) 平成11年7月下旬
定期検査終了(営業運転再開) 平成11年8月中旬

4.

その他
 今回より、国が電気事業法に基づき実施している定期検査の内容が変更されたため、これに基づき定期検査を受検する。
 概要は、添付−1の通り。



(添付−1)

定期検査における国の検査内容の変更について


 国は、電気事業法に基づいて実施している定期検査について、原子炉施設の個別機器における安全機能の重要度やこれまでの検査実績等を踏まえ、検査内容を見直し、平成11年5月20日以降に定期検査を開始する発電所から順次適用することとしている。
 主な変更内容は、以下の通り。

1. 安全設計審査指針で要求される安全機能との整合性からの見直し
 原子炉施設の個別機器における安全機能の重要度に応じた検査方法にて確認することとし、重要度の高い機器で、従来は事業者のみで確認していた検査の一部も、国の検査として確認する。
<例>
直流電源設備の充電状態の確認
非常用ディーゼル発電機が定格出力で運転可能であることの確認 他
*: 機器の安全機能の重要度
 原子力安全委員会が、平成2年に「発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に関する審査指針」として、発電用軽水型原子炉施設の安全性を確保するために必要な各種の機能(安全機能)について、安全上の見地からそれらの相対的重要度を定めたもので、安全機能に関する重要度で機器等をクラス1〜3に分類したもの。

2.

検査内容の見直し
 これまでの検査実績や技術的評価を踏まえ検査内容を見直す。
<例>
蒸気発生器伝熱管の検査
 蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査について、耐食性に優れたインコネル690合金の伝熱管は損傷の可能性が極めて低いことから、蒸気発生器の全数から半数ずつの検査とする。
燃料集合体の外観検査
 燃料集合体の外観検査について、これまでPWRで再装荷燃料集合体の全数検査を行っていたが、検査実績等を踏まえ、検査対象範囲を以下のように変更する。
炉心装荷燃料体数の10分の1に相当する新設計燃料集合体
上記以外の構造設計の異なる燃料集合体毎に最高燃焼度のもの2体づつ

3.

検査運用の見直し
 一次冷却材ポンプ等に使用している予備品について、定期検査期間外においても分解点検を可能とする。
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