[記者発表][平成11年度6月]−[17日11時45分資料配付] 原子力安全対策課
高浜発電所3号機および4号機のプルサーマル計画について(知事談話)(11−40)

1. 昨年2月23日に安全協定に基づき関西電力株式会社から県および高浜町に対し事前了解願いが提出された『関西電力株式会社高浜発電所3号機および4号機のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料装荷計画(プルサーマル計画)』について、県としては、最終的な判断を行う上で、安全性の確保が最も重要であると考え、昨年5月8日に、最終的な了解とは切り離して、国の安全審査を受けることを了承した。

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県としては、この計画を最終了解するかどうかについては、国の安全審査の結果を確認することはもとより、国民合意の形成や地域振興策の充実など、国に要請した6項目に対する国や事業者の取り組みを確認するとともに、県議会での議論や地元高浜町の意見等を十分踏まえ、改めて総合的に判断する方針で慎重に対応してきた。

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その結果、安全性については、昨年12月に国は原子炉設置変更を許可しており、県としても、この安全審査の内容について、専門家の意見も聞きながら、MOX燃料の採用により影響を受ける主要な安全性項目(制御棒の制御能力低下、燃料棒内圧の上昇、周辺環境への影響など8項目)を中心に十分確認し、安全性に問題はないと判断した。また、MOX燃料の輸送容器の安全審査の結果も確認し、安全性に問題はないと判断した。

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6項目に対する国や事業者の取組みについては、安全性の確保と使用済MOX燃料の処理の2項目を追加した8項目について、去る6月7日、与謝野通産大臣と有馬科学技術庁長官に要請するとともに、国の責任ある考えを伺い、国の真摯で前向きな取組みを確認した。

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地元高浜町については、去る5月26日、今井町長から、町議会での議論や町内での説明会などの実施結果を踏まえ、最終了解することについて異論がないとの報告を受けた。

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県議会においては、プルサーマル先進地である欧州各国を視察したり、国や事業者から安全性等について説明を受けるなど熱心に取り組まれ、積極的な議論が行われてきた。去る6月14日、プルサーマルについての県の対応について説明し意見を伺ったところである。

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これらのことを総合的に勘案し、本日、関西電力に対して最終了解することを回答したものである。

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今後、県の安全性確認結果について、原子力広報紙への掲載、原子力環境安全管理協議会への報告、地元高浜町での説明会の実施などを行い、県民の理解が得られるよう努めていく。
さらに、輸送容器が発電所に到着した時点で、輸送容器の放射線量率を測定することにより、輸送容器の安全性の確認を行っていく。