[記者発表][平成11年度7月]−[13日11時記者発表] 原子力安全対策課
敦賀発電所2号機の原子炉手動停止について(漏えい箇所の点検調査状況)(11−59)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力116.0万kW)は、定格出力運転中のところ、7月12日午前6時5分、原子炉格納容器内のC、Dループ室前通路の火災報知器が発報するとともに、格納容器内サンプ水位上昇率高警報の発信、1次冷却水充てん流量の増加や格納容器内じんあいモニタ等の上昇が確認されたことから、格納容器内で1次冷却水が漏洩しているものと判断し、午前6時24分から手動で出力を降下、午前6時48分電気出力8.1万kWで原子炉を緊急手動停止した。
 なお、本事象に伴う周辺環境への放射能の影響はない。

 漏えい状況調査として、18時45分から格納容器内の立入調査を行った結果、Cループ室通路側に設置された化学体積制御系再生熱交換器1台(全3台)の抽出側配管部で漏えいが確認された。このため、抽出系統配管の隔離操作(弁の閉止操作)を20時16分に完了し、20時29分漏えい停止を確認した。
 また、格納容器サンプおよび床面に貯まっている漏えい水については、22時00分より液体廃棄物処理系への移送作業を継続的に実施している(13日10時時点で約 20.4m3を移送)。(平成11年7月12日9時15分、16時30分、18時15分、20時、21時、13日2時 記者発表済)

 その後、漏えいが確認された化学体積制御系再生熱交換器の抽出側配管部について保温材を取り外し、配管の外観目視点検を行った結果、配管曲がり部で長さ約80mmの割れが確認された。
 今後は、漏えいが発生した再生熱交換器室内の清掃・除染作業を実施する予定である。

(通商産業省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル


敦賀2号機化学体積制御系概要図