[記者発表]−[平成11年度7月]−[14日16時記者発表] | 原子力安全対策課 |
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大飯発電所2号機の原子炉起動と調整運転開始について(第14回定期検査)(11−62) | ![]() |
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このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。
記 |
大飯発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力117.5万kW)は、平成10年8月29日から、第14回定期検査を実施していたが、平成11年7月16日に原子炉を起動し、翌17日に臨界となる予定である。
当初、平成10年8月29日より約5カ月の予定で定期検査を実施していたが、11月30日にB−余熱除去ポンプ出口配管ドレン弁取付管台溶接部からの漏えいが発生したため、予定より約1カ月間遅れて、平成11年1月25日に原子炉を起動、臨界とした後、28日に調整運転を開始した。しかし、翌29日に制御棒が引き抜き操作時に落下する事象が発生したことから、原因調査のため同日より原子炉を停止していた。
今後は諸試験を実施し、7月中旬(7月17日頃)に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、8月中旬には通商産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。
1. | 主要工事等 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2. |
蒸気発生器伝熱管の渦電流探傷検査結果 |
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蒸気発生器伝熱管全数(13,528本)について、渦流探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3. |
燃料集合体の検査結果 |
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燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。 燃料集合体全数193体のうち、85体(うち72体が新燃料集合体で、新燃料は全て高燃焼度燃料集合体)を取り替えた。 |
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4. |
炉内温度計装用管台キャノピーシール部からの漏えい(図−9参照) |
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定期検査開始後の8月30日、現場点検にて、原子炉容器上部ふたの炉内温度計装用管台1本下部キャノピーシール溶接部周囲にホウ酸の付着を確認され、調査の結果、9月3日、同溶接部で貫通割れ(外面約1.5mm、内面約3.5mm)が認められた。 原因は、建設当初のキャノピーシール溶接の熱影響と過去の定期検査時の補修溶接による熱影響が重なり合ったことにより、キャノピーシール内面から応力腐食割れが発生したものと推定された。 なお、今定期検査で原子炉容器上部ふたの取替え工事を実施しており、新しい上部ふたは、制御棒駆動装置等の保護筒や管台部の材料を耐応力腐食割れに優れたものに変更するとともに、キャノピーシールのない構造に変更する等の改善を図っている。[平成10年9月3日、10月2日、11月16日発表済み] |
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5. |
B−余熱除去系配管ドレン弁取付部の割れ(図−10参照) |
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定期検査中の11月30日、B−余熱除去ポンプ(停止中)の出口配管にあるドレン管台溶接部付近で僅かな1次冷却水漏れを確認し、調査の結果、12月1日、同溶接部で貫通割れ(外面約154mm、内面約27mm)が認められた。 原因は、前回定期検査に、当該ドレン管台部の改造工事を実施したことにより、余熱除去ポンプ運転に伴う流体振動と共振し、疲労割れが発生したものと推定された。 対策として、当該部および類似のA系統について、ドレン管台が余熱除去ポンプ運転に伴う流体振動と共振しないものに取り替えた。また、今後、ドレン管台等の振動の影響評価に関する解析について設計管理基準を整備することとした。[平成10年12月1日、12月17日発表済み] |
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6. |
調整運転中における制御棒落下 (図−11、図−12参照) |
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平成11年1月29日、調整運転開始後の出力上昇中、制御棒(全53本)のうち1本が引き抜き操作時に落下したことから、点検調査を行うために出力降下し発電を停止した。 その後、原子炉停止に向けて制御棒の挿入操作を行っていた際にも、他の制御棒1本にも動作不良があったため、原子炉を手動停止させた。 原因調査の結果、次のことが確認された。
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以上のことから、制御棒駆動機構の可動磁極の上げ動作に対して、摺動抵抗や水の流路抵抗が増加し、制御棒引き上げ動作に遅れが生じ、動作不良に至ったものと推定された。 対策として、制御棒駆動装置の内部構成品(ラッチアセンブリ)を全数新品に取り替えるとともに、取り替えに際しては、腐食を予防するため工場であらかじめ保護皮膜を形成させたものを使用した。また、制御棒動作試験を行い、異常のないことを確認している。[平成11年1月29日、2月17日、3月11日、4月16日発表済み] |
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7. |
次回定期検査の予定 |
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平成12年 冬頃 |
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1. | 概要 | ||||||||||||||||||||||
大飯発電所2号機の原子炉容器の上部ふた取替工事は、平成10年8月29日からの定期検査開始をもって、工事を開始しました。 平成10年10月22日に旧上部ふたの搬出を行い、同日蒸気発生器保管庫へ搬入しました。10月27日に新上部ふたを原子炉格納容器内へ搬入しました。その後、平成11年1月29日に発生した制御棒落下事象により一時中断しましたが、その後対策工事を実施し、6月24日に組み立てを完了しました。 原子炉容器上部ふた取替工事としての総被ばく線量当量は約0.2人・Svであり、放射性廃棄物は旧原子炉容器上部ふたおよび制御棒駆動軸等、ドラム缶に換算して約680本発生しました。それらはA、B−蒸気発生器保管庫および既設の廃棄物庫に保管しています。 なお、制御棒落下事象の対策工事に伴う総被ばく線量は、約0.2人・Svであり、放射性廃棄物はドラム缶で約10本発生しました。それらも既設の廃棄物庫に保管しています。 |
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2. |
原子炉容器上部ふた取替工事計画経緯 |
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3. |
原子炉容器上部ふた取替工事実施状況 |
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