[記者発表][平成11年度7月]−[22日10時30分記者発表] 原子力安全対策課
敦賀発電所2号機の原子炉手動停止について(原因調査状況について)(11−67)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力116.0万kW)は、定格出力運転中の7月12日、格納容器内で1次冷却水の漏えいが発生したと判断し、6時24分から出力降下を開始、6時48分に原子炉を手動停止した。
 なお、本事象に伴う周辺環境への放射能の影響はない。
 格納容器内の立入調査で、化学体積制御系再生熱交換器1台(全3台)の抽出側連絡配管部で漏えいが確認されたため、同日20時16分に抽出系統の隔離操作を行い、漏えいを停止した。
 漏えい配管外面について、外観観察を実施した結果、曲がり部の軸方向に長さ約44mmの貫通割れが確認されるとともに、当該配管を切断し、内面の観察の結果、漏えい部に相当する位置に長さ約144mmの割れと、別の位置で長さ約76mmの割れが確認された。
 詳細な原因調査として、当該漏えい部配管曲がり部と下流側にある配管曲がり部計2箇所について切断し、試験施設にて詳細な調査を実施している。<平成11年7月12日、13日、16日、19日 記者発表済>

 試験施設にて、当該漏えい部配管の詳細外観観察の結果、現時点までの調査結果は以下のとおりである。 

1) 漏えいした配管曲がり部での貫通割れの長さは約47mmであった。
2) 配管内面の観察で、貫通した割れ内面の上流側溶接部で、溶接部に沿った周方向の割れ、長さ約87mmが認められた。
3) 貫通していない内面の割れ(長さ約76mm)近傍で、溶接部より再生熱交換器管台側で、軸方向の割れ、長さ約8mmが認められた。
このため、発電所にて再生熱交換器管台部内面の外観観察を実施した結果、ほぼ同位置で上流側に軸方向の割れが認められた。
4) 漏えいした配管曲がり部について、外面から超音波探傷検査を実施した結果、外観観察で確認されている割れの他に、3箇所で欠陥信号指示が認められた。

 今後は、試験施設にて配管曲がり部を切断し、残留応力測定や破面観察等の詳細原因調査を引き続き実施する。
 また、発電所においては、今回割れが確認された再生熱交換器管台部についても今後切断し、試験施設に搬出して詳細調査を実施する予定である。


当該管内表面の割れ状況図