[記者発表][平成11年度7月]−[27日16時記者発表] 原子力安全対策課
新型転換炉ふげん発電所の重水精製装置エリアトリチウムモニタ等の上昇について(循環液フィルタ廻りの点検調査状況について)(11−68)

 このことについて、核燃料サイクル開発機構から下記のとおり連絡を受けた。

 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉;定格出力16.5万kW、平成11年1月8日から第15回定期検査中)は、7月2日、重水精製装置の運転中、循環液フィルタ付近から重水が漏れていることを確認したため、直ちに同装置の運転を停止するとともに、重水精製装置およびの換気系を停止した。また、循環液フィルタの前後にある弁を閉止し、漏えいの停止を確認した。
 この漏えいに伴い、重水精製装置のエリアトリチウムモニタの指示値が上昇し、「モニタ高」「モニタ高高」警報が発信したが、その後、指示値は徐々に低下した。また、漏えいした重水を回収(約35リットル)するとともに、当該循環液フィルタの周囲の保温材を取り外して、ビニールで養生した。
 なお、本事象に伴う環境への放射能の影響はない。[平成11年7月2日、7月5日 発表済]

 エリアモニタの指示値が通常値に戻った後、7月26日から循環液フィルタ廻りの点検調査を開始した。これまでの調査状況は以下の通りである。

循環液フィルタのあるフランジ部については、上下部のフランジ面に設けられた溝(凹)部にゴム製のガスケットがセットされ、この部分でフィルター取付板を挟む形で構成されている。
本体フランジ締め付け部の状態を点検した結果、本体フランジに2枚あるガスケットのうち、フィルタ本体蓋側(上部)のガスケットが、フランジシール部から全周にわたってはみだしていた。
フランジボルトの締め付け力を計測した結果、漏えいがあったと推定される付近のボルトの締め付け力が不足しており、ガスケットのはみ出し量が大きかった。
フィルタ本体蓋を開放した結果、本体蓋側フランジのガスケットが正規の位置(フィルタ取付板凸部)ではなく、その外周に装着されていたことが確認された。

 今後、引き続き原因調査を行う。

新型転換炉ふげん発電所建屋配置図
図−1 循環液フィルタ点検時の状況