[記者発表][平成11年度8月]−[9日16時記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所2号機の復水器の点検結果について(11−74)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力82.6万kW)は、定格出力で運転中の8月4日7時19分、復水器2Aの検塩計指示値が警報設定値(0.4μS/cm)を超えており、その後もわずかずつ上昇していることから、復水器内での海水漏えいと判断された。
 このため、漏えいと判断された復水器2Aの点検・補修を行なうこととし、9時17分より出力降下を開始し、12時1分に約50%出力まで降下させた。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はない。[平成11年8月4日記者発表済]

 復水器2A伝熱管全数(既施栓管73本を除く10,091本)について、渦流探傷検査を実施したところ、伝熱管1本にほぼ貫通に近い減肉信号指示が認められるとともに、他の伝熱管4本に施栓基準に達する減肉信号指示が認められた。
 貫通に近い減肉信号指示が認められた伝熱管を洗浄後、漏えい試験を行なった結果、漏えいが確認され、管内面のファイバースコープによる観察で、約1mmのくぼみ状の欠陥が認められた。
 漏えいの原因は、伝熱管内面に貝類等が付着し、伝熱管内を流れる海水の流速が局部的に変化し、内面からの減肉が発生、進展したものと推定された。
 なお、同系統の復水器(1A、3A)についても、伝熱管全数の渦流探傷検査を実施した結果、施栓基準に達した伝熱管8本が認められた。
 対策として、漏えい管1本と施栓基準に達した伝熱管12本について施栓工事を行ない、漏えいのないことを確認した後、10日早朝から出力を上昇させ、同日深夜に定格出力に復帰する予定である。

(通商産業省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
評価対象外 評価対象外


復水器概要図
復水器詳細図
2A復水器細管損傷位置図