(別紙)

「ふげん」・「もんじゅ」における安全管理徹底の実施状況

1. 臨界管理の確認
 原子炉施設における臨界管理については、燃料取扱設備、燃料貯蔵設備の構造や取り扱い量、新燃料や使用済燃料の貯蔵管理状況等を、施工管理記録や移動、貯蔵記録等により確認し、燃料取り扱いにおいて、臨界に至る可能性がないことを確認した。(10月6日確認)
 また、運転中の原子炉については、出力制御装置や中性子測定装置等の定期検査記録や運転管理上の記録等により、安全に出力制御されていることを確認した。

2.

保安規定に基づく手順書類の調査
 今回の事故において、不適切な手順書が作成・使用されていたことを踏まえ、「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に基づく保安規定に照らし不適切な手順書類が作成・使用されていないかどうかを調査した。
 保安規定各条項のうち安全管理上重要な項目である運転管理、燃料管理、放射性廃棄物管理、放射線管理、非常時の措置および教育・訓練の各条項に照らし合わせ、「ふげん」「もんじゅ」で使用されている手順書類の記載が、保安規定の記載事項を遵守していることを確認した。また、それら手順書類に基づき実施した運転管理や検査等の記録類を確認した結果、保安規定の各条項が確実に遵守されていることについてもあわせて確認した。
 以上により「ふげん」「もんじゅ」にて使用している手順書類について、不適切な作成や使用がないことを確認した。(10月13日確認)
 なお、「もんじゅ」では、本作業は安全総点検において実施したが、更に万全を期す観点から再確認を行った。

3.

安全意識の徹底と教育訓練
(1) 職員等への安全意識の徹底
 今回の臨界事故を踏まえ、平成11年10月2日に敦賀本部長から安全管理の徹底を指示するとともに、10月4日に理事長文書により安全管理の徹底に関する指示を行った。
 また、職員並びに協力会社の従業員を対象として所長訓示を行い、関係者に安全意識の徹底を周知した。
(2) 職員及び協力会社社員への教育
 当機構(旧動燃事業団)での事故の反省を踏まえ、安全確保を業務運営の再優先事項とし、自主保安努力に努めてきている。その一貫として安全に対する職員の意識改革、原子力発電所を取り巻く社会情勢についての意識改革を図るため、外部の有識者による講演会を定期的に開催している。
 また、危機管理体制の充実、意識の高揚のため、管理職及び一般職を含めた危機管理教育を継続的に実施していく。
 今後、今回の事故の原因や問題点が明らかになった時点で、教育資料を作成し、職員の資質向上に努めていくこととする。

(3)

原子炉主任技術者等の職務遵守の徹底
 各所長から「ふげん」及び「もんじゅ」の運転に関し、原子炉施設や放射線取扱施設の監督を行うことを任務とする原子炉主任技術者や放射線取扱主任者等に対して、原点に立ち戻り各々の主任技術者の業務を遂行するよう指示・徹底した。(10月4日実施)

4.

安全性の総点検の実施
 平成9年6月に発生した「東海事業所屋外ピットにおける廃棄物の管理問題」を踏まえ、機構内全事業所の全設備について、法律と整合していないものや老朽化、不安全の視点で対応が必要と考えられるものについて点検を行い、抽出された改善項目については、平成9年度以降順次改善工事に着手しているところである。
 「ふげん」では、抽出された改善項目のうち「放射線モニタの増強」等半分以上が終了しており、残りについても全て着手済みである。
 「もんじゅ」については、ナトリウム漏えい事故の原因究明過程やその結果から摘出された反省事項等も踏まえて、上記総点検に並行して安全総点検を実施し、設備、マニュアル類、品質保証活動に至るまでの幅広い点検を行った。摘出された改善事項については、可能なものから順次改善を実施中である。

5.

通報連絡の徹底
 「ふげん」及び「もんじゅ」においては、時間内外を問わず連絡責任者を定め通報連絡の一元化を図り、時間外での通報連絡訓練や職員の召集訓練を実施している。このように、異常発生時に関係自治体や国等に、迅速かつ的確な通報連絡が行えるように体制の強化、充実に努めてきたところであるが、今回の事故を踏まえ、発生事象のより確実な通報連絡に努めていくこととする。

6.

理解活動
 従来から、地元説明会や一般見学会を通じて、地元の方々への原子力やサイクル機構の業務についての理解活動に努めてきたが、今回の事故を踏まえ、地元地区及び関係団体等に対して事故の状況や原子力発電の安全管理について説明し、地域住民の不安解消に努めた。
 今後も説明会等の活動を通じて、当機構の安全管理の取り組み状況を説明していく。
以上