[記者発表][平成11年度12月]−[16日17時資料配付] 原子力安全対策課
高浜発電所4号機用MOX燃料の使用取り止めについて(知事談話)(11−135)

1. 高浜発電所4号機用MOX燃料集合体8体については、英国原子燃料会社(BNFL)で製造され、10月1日発電所に搬入後、12月2日から通商産業省による輸入燃料体検査が行われているが、通商産業省は、今回のペレットデータ疑義の問題に関する英国原子力施設検査局での調査で、4号機用燃料についても不正の疑いが指摘されたことから、慎重を期して、現在、英国に職員を派遣し調査を行っているところである。

1.

県としては、4号機用燃料の装荷については、英国での調査と輸入燃料体検査の結果を踏まえた国の最終判断や、地元高浜町の意見を確認し、最終的な判断を行うこととしていた。

1.

本日、関西電力株式会社から、「BNFLで調査中のところ、4号機用のペレットで、疑いのある新たなロットが見つかり、4号機用8体のうち4体については装荷しないようにとの連絡をBNFLから受けた。」との連絡があった。
県としては、原子力の安全を確保するための前提となる品質管理・保証の問題であることから、関西電力に「8体すべてを使用しないよう」強く申し入れ、関西電力から「今回搬入した8体すべてを使用しないこととした」との報告を受けたところである。

1.

プルサーマル計画については、関西電力の計画表明以降、県としては、安全が確認されることを第一として、さらに県民の理解が得られるよう、十分慎重に対応してきた。

1.

今回のMOX燃料集合体のペレットデータの疑義については、問題が判明した後、直ちに、徹底した調査と調査結果の公表、さらには国に対して関係事業者への厳正な指導・監督を行うよう要請し、11月1日には、英国での調査も踏まえ、4号機燃料集合体については、不正がないとの報告を受けるとともに、この調査結果は通商産業省および原子力安全委員会で了承されたところである。

1.

このような経過にも係わらず、今回不正の事実が判明したことは、重大な問題であり、県民の信頼を大きく損なう結果となり、極めて遺憾である。

1.

今回の問題は、原子力の安全を確保するための前提となる品質管理、品質保証にかかる重要な問題があるため、関西電力株式会社においては、原子力への信頼感喪失の危機に立たされているという認識に立って、品質保証・管理にかかる再発防止対策の実施に取り組み、国民・県民の不信感の回復に全力で取り組むよう、強く申し入れた。

1.

また、今回の問題は、海外での燃料製造で発生したことであるが、使用済燃料輸送容器データ改ざん問題の教訓が活かされなかったことは、国、事業者において深く反省し、海外の製造メーカも含め、原子力関係のすべての事業者において、今後、徹底した品質の管理、品質保証に最善の努力を傾注するとともに、国としても品質管理に係る安全規制の強化に努めることが重要と考える。

1.

明日、通商産業省資源エネルギー庁長官と原子力安全委員会委員長に対して、4号機用燃料8体すべてを使用しないことと、品質管理にかかる国の安全規制の強化等を図るよう申し入れる。