[記者発表][平成12年度1月]−[10日11時記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所2号機の第19回定期検査開始について(12−91)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力82.6万kW)は、平成13年1月13日から約2カ月の予定で第19回定期検査を実施する。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。

(1) 原子炉本体
(2) 原子炉冷却系統設備
(3) 計測制御系統設備
(4) 燃料設備
(5) 放射線管理設備
(6) 廃棄設備
(7) 原子炉格納施設
(8) 非常用予備発電装置
(9) 蒸気タ−ビンおよび蒸気タ−ビン付属設備


1. 主要工事等
(1) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、3台あるポンプのうち、AおよびCポンプについて、主フランジボルト、締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検する。
(2) 余熱除去系、格納容器スプレイ系配管接続工事(図−2参照)
 アクシデントマネジメント対策(*1)として、炉心損傷を防止するため工学的安全注入系の再循環注入モード(*2)による長期的な炉心冷却方式の多様化を想定し、格納容器スプレイポンプを用いた再循環も可能なように、余熱除去系と格納容器スプレイ系を接続する配管を設置する。
*1 アクシデントマネジメント対策
 設計で考慮していた事故の範囲を大きく超え、炉心の損傷に至るような過酷事故(シビアアクシデント)に備え、現状の設備を有効に活用してその発生防止や発生後の影響を緩和することを考慮した対策。
*2 工学的安全注入系の再循環注入モード
 1次冷却材喪失事故時、工学的安全注入系により燃料取替用水タンクのホウ酸水を原子炉内に注入するが、燃料取替用水ピット水位が低下した際には、格納容器再循環サンプに溜まった冷却水を余熱除去ポンプ等により原子炉に再注入すること。
(3) 原子炉冷却系統設備小口径配管他取替工事(図−3参照)
 海外における損傷事例等に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、原子炉冷却系統に接続する小口径配管の一部について、材質等を変更したものに取替える。
(4) 化学体積制御系統浄化流量増加工事(図−4参照)
 定期検査時における被ばく低減を図ることを目的として、化学体積制御系統の流量を増加し、1次冷却材中の放射性腐食生成物を効率的に除去するため、弁の一部取替え等を実施する。
(5) 1次冷却系統脱気装置設置工事(図−5参照)
 プラント起動時における1次冷却材系統の溶存酸素を低減するため、配管の応力腐食割れに対する環境改善を図ることを目的として、すでに設置している脱気装置(1、2号機共用)の接続配管を設置する。

2.

燃料取替計画
 燃料集合体全数157体のうち、56体を取り替える予定である。
 取替用燃料集合体のうち52体は、新燃料集合体(高燃焼度燃料集合体)である。

3.

運転再開予定
原子炉起動・臨界  平成13年2月下旬
発電再開(調整運転開始) 平成13年3月上旬
定期検査終了(営業運転再開) 平成13年3月下旬