[記者発表][平成12年度1月]−[19日11時資料配布] 原子力安全対策課
大飯発電所4号機の原子炉起動および調整運転の開始について(12−96)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所4号機(加圧水型軽水炉;定格出力118.0万kW)は、平成12年11月14日から第6回定期検査を実施していたが、平成13年1月22日に原子炉を起動し、同日に臨界に達する予定である。
 今後は諸試験を実施し、1月下旬(1月23日頃)に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、2月中旬には経済産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

1. 主要工事等
(1) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台あるポンプのうち、Cポンプについて、主フランジボルト、締め付け部等の耐圧部について健全性を確認するとともに、インペラ等の内部部品について分解検査を実施した。
(2) 原子炉容器供用期間中検査
 供用期間中検査として、原子炉容器の溶接部等について、超音波による探傷検査を行い健全性を確認した。

2.

蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査結果
 BおよびD蒸気発生器伝熱管全数(3,382×2本)について、渦流探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。

3.

燃料集合体の検査結果
 燃料集合体70体について外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数193体のうち、103体(うち80体は新燃料集合体で全て高燃焼度燃料(48,000MWd/t))を取り替えた。
 なお、大飯4号機では、先行照射の計画として高燃焼度燃料8体(55,000MWd/t)について、平成9年3月から平成13年度の予定で照射中であるが、今回の定期検査で、このうち2体を取り出した。今後、発電所にて、燃料棒被覆管表面の酸化膜厚さの測定等を行う予定である。

4.

敦賀発電所2号機事故を踏まえた点検(図−2参照)
<検査の充実>
高サイクル熱疲労割れの点検
 過去の高サイクル熱疲労による国内外の損傷事例を踏まえ、高温・低温水の合流により温度変動が生じる類似対象箇所(43箇所)について、点検を実施し、健全であることを確認した。
格納容器内第3種管の検査の充実
 設備の健全性に係る検査充実の観点から、格納容器内でプラント運転中に第1種管と同等の温度、圧力の1次冷却水が流れている再生熱交換器から化学体積制御系抽出系統および充てん系統の主冷却材管までの範囲にある第3種管の溶接部6箇所について、超音波探傷検査を実施し、健全であることを確認した。

5.

次回の定期検査の予定
 平成14年春頃