[記者発表][平成12年度2月]−[6日13時30分記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所の原子炉設置変更許可申請について(固体廃棄物固型化処理建屋の設置計画等)(12−98)

 県および高浜町は、平成13年1月19日に、関西電力株式会社から安全協定に基づき提出された「高浜発電所の固体廃棄物固型化処理建屋の設置計画に係る事前了解願い」について、その安全性を確認するため、国への手続きを行うことを本日了承した。
 関西電力株式会社は、同日、原子炉等規制法に基づき、経済産業省に対し原子炉設置変更許可申請を行った。
 県としては、この計画について、県内発電所で進められている雑固体廃棄物処理設備や建屋の設置計画の一環であり、放射性廃棄物の適切な処理処分を行うために実施しようとするものであると考えており、今後、国の安全審査の状況について十分確認した上で、高浜町と協議し適切に対処していく。
 今回の原子炉設置変更許可申請の概要は別紙のとおりである。
 なお、高浜発電所の海水淡水化装置の増設計画についても併せて申請した。

<申請概要>
雑固体廃棄物*1の処理について、固型化処理(モルタル充てん固化)を採用するとともに、固体廃棄物固型化処理建屋を設置する。
発電所で使用する淡水について、関屋川と海水淡水化装置*2(2台)からの供給に加え、新たに海水淡水化装置*2(2台)を増設し供給する。
原子力発電所の運転に伴い発生した低レベル放射性廃棄物のうち、金属、コンクリート、保温材等の固体廃棄物のこと。ドラム缶等の容器に入れて固体廃棄物貯蔵庫に保管している。
海水を蒸気の熱により蒸発させ、蒸留水を回収して淡水を製造する装置。

(参考)

高浜発電所の固体廃棄物固型化処理建屋の設置計画に係る経緯
平成 13年 1月 19日 ・・・ 関西電力株式会社は、県および高浜町に 安全協定に基づく「事前了解願い」を提出。    
平成 13年 2月 6日 ・・・ 県および高浜町は、国への手続きについて了承。 関西電力株式会社は、国に原子炉設置変更許可を申請。


(別紙)

1. 雑固体廃棄物の固型化処理(モルタル充てん)の採用
対象プラント 1号、2号、3号及び4号炉
変更内容 雑固体廃棄物について固型化処理を採用する。
雑固体廃棄物をモルタル充てんし固型化する。
固体廃棄物固型化処理建屋を設置する。
変更理由 雑固体廃棄物について日本原燃(株)六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターに搬出するために固型化処理(モルタル充てん)を採用する。
工程 平成14年4月〜平成16年12月

2.

海水淡水化装置の増設
対象プラント 1号、2号、3号及び4号炉
変更内容 海水淡水化装置を増設する。
海水淡水化装置(1,000t/日)を2基増設する。
海水取水・排水等の配管を布設する。
変更理由
発電所で使用する淡水について、関屋川からの取水を制限するために、新たに海水淡水化装置を増設し必要淡水量を確保する。
供給 需要

関屋川
海水淡水化装置(既設)
3,000t/日
1,000t/日×2基
最大
約5,000t/日


関屋川
海水淡水化装置(既設)
海水淡水化装置(増設)
3,000t/日
1,000t/日×2基
1,000t/日×2基
最大
約5,000t/日
工程 平成14年2月〜平成15年3月


第1図 高浜発電所構内配置図
第2図 固体廃棄物処理系統図(1号及び2号炉の例)
第3図 固体廃棄物固型化処理建屋概念図
第4図 海水取水経路と海水淡水化装置の概要