[記者発表][平成12年度2月]−[8日11時記者発表] 原子力安全対策課
敦賀発電所1号機の原子炉起動と調整運転開始について(第26回定期検査)(12−99)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉;定格出力35.7万kW)は、平成11年8月20日から第26回定期検査を実施していたが、平成13年2月9日に原子炉を起動し、臨界とする予定である。
 今後は諸試験を実施し、2月中旬(2月12〜15日頃(*))に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、3月上旬には経済産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

タービンバランシング作業(調整運転開始前にタービンの回転数を上昇させて振動を測定し、振動が大きい場合には、タービンの車軸におもりを取り付け、振動が小さくなるように調整する作業)の実施の有無により、調整運転の開始が前後する。

1. 主要工事等(図−1
(1) シュラウド取替工事(図−2図−3
 応力腐食割れ(SCC)発生の予防保全対策として、シュラウド等をSUS304相当品から、耐SCC性に優れたSUS316L等に取替えた。
(2) シュラウドサポート部SCC対策工事(図−4
 シュラウド取替工事作業中にシュラウドサポート部に合計300箇所の微細なひび割れが認められ、原因調査の結果、製作時の残留応力等に起因したSCCが発生したものと推定された。
 このため、下部シュラウドサポートについて、原子炉圧力容器との取付部を残し、耐SCCにより優れた材料(インコネル材)に取替えた。[平成11年12月10日、22日、平成12年2月8日、4月20日、6月1日 発表済]
(3) 炉内計装ハウジング(保護筒)のSCC予防保全工事(図−5
 SCCの予防保全対策として、炉内計装用保護筒29本全数について、保護筒内面にTIGクラッディング(耐食性に優れた金属を溶接肉盛させる工法)を実施した。
(4) 原子炉再循環配管内の流量検出用フローエレメントの取替工事(図−6
 原子炉再循環流量を検出している流量検出用フローエレメント(ノズルタイプ)について、定期検査時の被ばく低減のため、放射性物質が付着しにくい形状(円錐ベンチュリータイプ)に取替えた。
(5) 給水加熱器取替工事(図−7
 第1〜第3給水加熱器(2系統、計6基)について、信頼性の向上及び保守性向上を図るため取替えを行なった。その際、管支持板については、耐食性に優れた低合金鋼に変更した。
2. 燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数308体のうち、60体(全て新燃料かつ高燃焼度8×8燃料)を取替えた。
3. 次回定期検査の予定
 平成14年 冬頃