[記者発表][平成12年度3月]−[5日00時30分資料配付] 原子力安全対策課
高浜発電所2号機の調整運転中の出力降下について(12−107)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力82.6万kW)は、本年1月13日から第19回定期検査を実施中で、3月2日から調整運転を開始し、電気出力75%から100%に向けて出力上昇中のところ、本日20時35分頃、蒸気発生器に2次冷却水を供給している給水系(2系統)のうち、A系統にある第6A高圧給水加熱器のドレン(凝縮水)流量の急上昇が認められた。
 このため、電気出力約91%で出力上昇操作を停止し、2次系の各種パラメータを監視し、高圧給水加熱器の伝熱管漏えいの可能性があると判断されたため、点検・調査のため21時30分から出力降下を開始し、22時17分に電気出力75%とした。
 電気出力75%となった時点で、伝熱管漏えいの疑いがある第6A高圧給水加熱器のドレン流量と、健全である第6B高圧給水加熱器のドレン流量とが同程度となった。
 このことから、現在の運転状態では、伝熱管漏えいを示すパラメータの異常は認められないが、今後、電気出力75%で運転を継続し、第6A高圧給水加熱器ドレン流量が急上昇した原因について点検・調査を行うこととした。
 なお、今回の事象による環境への放射能の影響はない。

高圧給水加熱器では、伝熱管内を2次冷却水(給水)が流れ、高圧タービンの排気蒸気を使ってこの給水を加熱している。加熱後の蒸気はドレン水(凝縮水)となり、給水系統に戻る。
高圧給水加熱器の伝熱管で漏えいが発生すると、伝熱管内を流れる給水(放射性物質を含まない)が、ドレン(凝縮水)側に漏れこむため、ドレン流量が増加する。


(通商産業省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−


系統概要図
高圧給水加熱機概要図