[記者発表][平成12年度4月]−[3日14時記者発表] 原子力安全対策課
新型転換炉ふげん発電所の制御棒位置指示不良に伴う原子炉手動停止について(12−1)

 このことについて、核燃料サイクル開発機構から下記のとおり連絡を受けた。

 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉;定格出力16.5万kW)は、平成12年3月11日から発電を停止し、平成11年度計画停止作業を行っていたが、作業が終了したため、4月2日18時に原子炉を起動し、制御棒(全49本)の引き抜き操作による臨界操作を開始した。
 この臨界操作のなかで、4月2日、20時32分、すでに引き抜き操作が完了していた制御棒1本(3H)の位置指示(100%引き抜き位置)が、約65%に低下しているのが確認された。
 このため、制御棒引き抜き操作を一時中断し、当該制御棒の指示計等関連パラメータを確認したところ、位置指示計および監視画面の指示値は約65%の位置を示していたが、位置検出リミットスイッチの上限ランプは点灯していることから、実際の制御棒位置は100%引抜き位置であることが確認された。
 その後、22時39分より制御棒引き抜き操作を再開し、23時5分には原子炉は臨界に到達した。
 4月3日、当該制御棒の位置指示を表示する制御系(位置変換器等)について調査を実施したが、不良個所が認められなかったことから、今回の位置指示不良の原因は、制御棒駆動装置内にある位置検出用差動トランスの不具合が推定されることから、今後原子炉を停止して詳細な原因調査を実施することとし、本日、14時から原子炉停止操作を開始した。


制御棒位置指示信号系統概略図