[記者発表][平成12年度7月]−[25日11時記者発表] 原子力安全対策課
新型転換炉ふげん発電所の第16回定期検査の開始について(12−44)

 このことについて、核燃料サイクル開発機構から下記のとおり連絡を受けた。


 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉原型炉;定格出力16.5万kW)は、平成12年7月26日から第16回定期検査を実施する。
 なお、定期検査の作業期間としては、約5ヶ月を予定しているが、東海再処理工場への使用済燃料の搬出時期が未定のため、運転再開時期は未定である。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。

(1) 原子炉本体
(2) 核燃料物質の取扱施設および貯蔵施設
(3) 原子炉冷却系統施設
(4) 原子炉補助系統施設
(5) 計測制御系統施設
(6) 放射性廃棄物の廃棄施設
(7) 放射線管理施設
(8) 原子炉格納施設
(9) 非常用電源設備
(10) 蒸気タービン
(11) 電気設備

1. 主要改造工事等
(1) 廃棄物処理設備の変更工事(図−1参照)
 廃棄物処理設備の運転性向上の観点から、廃液移送ポンプと配管を新たに設置するとともに、廃液漏えい防止の観点から液体廃棄物処理設備にあるポンプ(15台)のうち3台をキャンドロータ式(ポンプ軸封部から外部への漏えいを防止するためポンプ本体と駆動用モータを一つの容器に収納したもの)に取り替える。
 また、廃棄物処理設備の制御盤を更新する。
(2) 蒸気タービン高圧車室補修工事
 蒸気ドレンによる浸食(エロージョン)に対する設備保全の観点から、蒸気タービン高圧内部車室の一部について、耐食性に優れたステンレス鋼にて肉盛補修を実施する。
(3) 原子炉再循環ポンプ供用期間中検査(図−2参照)
 原子炉再循環ポンプの供用期間中検査として、4台あるポンプのうち、A、Cポンプについて、ケーシングボルト締め付け部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検する。
(4) A−原子炉冷却系統の化学除染(図−3参照)
 今定期検査で実施する原子炉再循環ポンプ等の分解点検時の作業員の被ばく低減を図るため、A系統全ての圧力管から燃料集合体を取り出した後に原子炉冷却系統へ除染剤を注入し、機器や配管内表面に付着した60Co等の放射性不純物を溶解・除去する。
(5) 蓄積放射能量の調査(平成10年度計画停止時から継続実施)(図−4参照)
 「ふげん」の廃止措置準備として、構造物に含まれる放射能量を評価するため、原子炉廻りに設置した放射化箔(中性子照射により放射化する金属箔)の一部を回収し、中性子照射量を測定する。また、原子炉格納容器および補助建屋内のコンクリート壁や床のサンプリング調査を実施する。

2.

燃料取替計画
 燃料集合体全数224体のうち36体を新燃料集合体(うち混合酸化物燃料は22体)に取り替える。

3.

運転再開予定
 東海再処理工場への使用済燃料の搬出時期が未定のため、運転再開時期は未定である。