[記者発表][平成12年度8月]−[28日11時30分記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所2号機の点検結果について(A系統の第6高圧給水加熱器伝熱管からの漏えいの原因と対策)(12−52)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力82.6万kW)は、定格出力で運転中のところ、8月21日17時30分頃から蒸気発生器に2次冷却水を供給している給水系(2系統)のうち、A系統にある第6高圧給水加熱器のドレン(凝縮水)流量に増加が認められ、高圧給水加熱器伝熱管の漏えいの可能性があると判断し、同日21時40分から出力降下を開始し、22時55分に電気出力を約75%として点検・調査を行った。
 なお、今回の事象による環境への放射能の影響はない。[平成12年8月21日 記者発表済]

1. 調査結果
 漏えい検査およびファイバースコープによる調査の結果、A系統の第6高圧給水加熱器伝熱管1本が給水出口側管板付近で破断しており、管板内でも開口が認められた。破断管に隣接する2本の伝熱管についても管板付近で開口が認められた。また、漏えい管の周辺管43本(破断管を除く)について渦流探傷検査を実施し、8本(漏えい管2本を含む)に有意な指示が認められた。[平成12年8月25日 記者発表済]

 今回、当該給水加熱器の出口側管板の伝熱管全数について渦流探傷検査を実施した結果、前回定期検査時の渦流探傷検査において、今回破断した伝熱管の開口部付近で見られた疑似信号と同様の指示が8本の伝熱管において認められた。

2.

推定原因
 これまでの結果より、伝熱管内を流れる給水(2次冷却水)が当該箇所でドレン側に漏えいし、ドレン流量が増加したものと判明した。
 漏えいの原因は、伝熱管の割れの状況等から、伝熱管管板部内で割れが発生し、貫通したことにより2次冷却水が噴出流したために、当該伝熱管が破断し、周辺管も破損したものと推定された。

3.

対策
漏えい管3本と周辺管の渦流探傷検査で有意な指示が確認された6本、また、破断管および漏えい管の影響を受けた可能性がある周辺管の計19本について施栓を行った。[平成12年8月25日 記者発表済]
当該給水加熱器の出口側管板部の伝熱管全数について実施した渦流探傷検査の結果、疑似信号と同様の指示が見られた8本については、追加施栓を行った。
また、当該加熱器の漏えい検査を行い、漏えいのないことを確認した。

 今後、本日13時頃から出力上昇させ、本日中に定格出力に復帰する予定である。

(通商産業省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−


高浜発電所2号機6A高圧給水加熱器損傷位置図
伝熱管破断の推定メカニズム