[記者発表][平成12年度9月]−[5日16時記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所4号機の第12回定期検査開始について(12−54)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉;定格出力87.0万kW)は、平成12年9月6日から約3カ月の予定で第12回定期検査を実施する。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。

(1) 原子炉本体
(2) 原子炉冷却系統設備
(3) 計測制御系統設備
(4) 燃料設備
(5) 放射線管理設備
(6) 廃棄設備
(7) 原子炉格納施設
(8) 非常用予備発電装置
(9) 蒸気タ−ビンおよび蒸気タ−ビン付属設備


1. 主要工事等
(1) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、3台あるポンプのうち、Cポンプについて、主フランジボルト、締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検する。
(2) 原子炉容器供用期間中検査等
 原子炉容器の供用期間中検査として、原子炉容器の溶接部等について、超音波による探傷検査を行い、健全性を確認する。
(3) 1次冷却材系統脱気装置設置工事(図−2参照)
 1次冷却材系統における溶存酸素の低減を図り、応力腐食割れに対する環境改善を行なうとともに、1次冷却材脱気操作の短縮を図るため、脱気装置および接続配管を設置する。

2.

敦賀発電所2号機事故を踏まえた点検(図−3参照)
 高浜発電所4号機の再生熱交換器は、内筒を有する構造であるが、流動模擬試験に基づく応力評価や実機の胴変位測定により敦賀2号機と同様の損傷は発生しないことが確認されている。
 今定期検査においては、以下の点検を実施する予定である。
(1) 再生熱交換器の点検
 中間胴本体抽出水出口付近母材部(第1、2支持リング間1箇所)について、超音波探傷検査を実施し、健全性を確認する。
(2) 検査の充実
高サイクル熱疲労割れの点検
 過去の高サイクル熱疲労による国内外の損傷事例を踏まえ、高温・低温水の合流による温度変動が生じる類似対象箇所(38箇所)を抽出し、健全性を確認する。
格納容器内第3種管の検査の充実
 設備の健全性に係る検査充実の観点から、第3種管のうち、格納容器内でプラント運転中に第1種管と同等の温度、圧力の1次冷却水が流れている再生熱交換器から化学体積制御系抽出系統および充てん系統の主冷却材管までの範囲(10箇所)について、超音波探傷検査を実施する。

3.

燃料取替計画
 燃料集合体全数157体のうち、65体を取り替える予定である。
 新たに装荷する燃料集合体のうち60体は、新燃料集合体(高燃焼度燃料集合体)である。

4.

運転再開予定
原子炉起動・臨界 平成12年11月上旬
発電再開(調整運転開始) 平成12年11月上旬
定期検査終了(営業運転再開) 平成12年12月上旬