[記者発表][平成12年度9月]−[5日16時記者発表] 原子力安全対策課
大飯1号機の定期検査状況について(燃料集合体漏えい検査結果について)(12−55)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所1号機(加圧水型軽水炉;定格出力117.5万kW)は、定格出力運転中の平成12年5月19日、定期的に実施している1次冷却材中の放射能濃度測定の結果、よう素131の濃度が通常値(0.6〜0.8Bq/cm3)と比べわずかに上昇(7.8Bq/cm3)しているのが認められたため、監視を強化して運転を継続し、7月31日から第16回定期検査を開始した。[平成12年6月2日、7月26日 発表済]

 その後、燃料集合体全数(193体)について、漏えい検査を実施したところ、1体の燃料集合体に漏えいが確認された。
 8月13日に126体目の燃料取り出し作業中に発生した不具合については、8月23日に燃料つかみ装置と燃料集合体の干渉が解除されたことから、装置と燃料集合体の健全性を確認した上で、8月29日、残りの68体の燃料取り出し作業を再開した。[平成12年8月23日 一部発表済]


[燃料集合体調査結果]
漏えいが認められた1体の燃料集合体について、水中カメラによる外観検査を実施したところ、特に異常は認められなった。
超音波により漏えい燃料棒の特定を行なった結果、漏えい燃料棒1本が確認された。
当該燃料棒について、ファイバースコープを用いて外観観察を実施した結果、有意な傷等は認められなかった。

 これらのことから、今回の漏えいは、当該燃料棒に微小孔(ピンホール)が発生したものと推定された。
 今後、当該燃料集合体は再使用しないこととしている。

 この事象による環境への放射能の影響はない。

(通商産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−


漏えい燃料集合体装荷位置