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異物の詳細調査 |
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異物について、蒸気発生器内から回収した後、研究施設にて、外観観察、断面組織観察、化学成分分析等の詳細な調査を実施した。 |
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外観観察の結果、表面は黒色のスケールで覆われており、伝熱管や管板部と接触していたと推定される箇所に、金属光沢が認められた。異物は縦約54mm、横約42mm、厚さ約0.3〜2.0mmで、皿状に湾曲した形状であった。 |
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断面組織観察の結果、金属組織と酸化物が混合した組織であること、および多数の空洞が存在することが確認された。 |
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金属組織部分の化学成分分析の結果、鉄が主成分であり、その他には、マンガンやケイ素などに加え、炭素鋼の成分より多くの銅が認められた。[平成12年8月25日、9月1日 一部記者発表済] |
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(2) |
異物の再現試験 |
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今回発見された異物は、その形状や組成等の特徴から、一旦溶融した金属片が再び固まったものであると考えられ、金属の溶断作業や溶接作業による生成物と推定された。このため、それらの作業で生成される金属片を再現し、形状、組織等を調査した。
その結果、炭素鋼をアークエアガウジング工法により溶断した場合、溶融金属が圧縮空気により吹き飛ばされる特徴があり、溶断部近くに鉄板が置かれると、鉄板上で溶融金属が固まり、今回の異物に類似した形状、組織、化学成分の金属片が生成されることが確認できた。 |
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注: |
アークエアガウジング工法 |
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鋼板と電極との間でアーク放電させ、溶融金属を圧縮空気で吹き飛ばして金属を切断(溶断)する方法。この電極には銅をコーティングしたものを使用している。 |
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(3) |
異物の発生・混入の調査 |
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異物が発生・混入した可能性がある蒸気発生器取替工事(平成9年2月終了)以降の二次側給水系統の工事作業を調査した。
その結果、前回(第17回)定期検査で主給水制御弁取替工事を行っており、その際アークエアガウジング工法による配管の溶断作業を実施していた。この溶断作業において、溶融金属の飛散防止用鉄板が使用されていた。
この作業以外では、アークエアガウジング工法を採用していないことを確認した。
このため、主給水制御弁取替工事の作業状況を調査した結果、 |
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今回の主給水制御弁取替工事は、同弁の信頼性向上として実施したもの。 |
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弁の取替工事に伴い、配管切断作業を実施したが、作業場所に余裕がないことからアークエアガウジング工法を採用した。また、切断部周囲の系統機器を保護するため、耐火クロスとともに飛散防止用鉄板を使用した。 |
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アークエアガウジング切断により発生した生成物(溶融金属等)は、耐火クロスに包み、一時保管し、新しい主給水制御弁や配管の取り付け作業前に作業現場から当該部近傍の仮設足場上を通って搬出した。 |
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新弁や配管の取り付け(溶接)作業前には、配管内に異物のないことを最終確認した後溶接作業を行っている。今回の作業では、配管内の最終異物確認(異物のないこと)後、溶接作業(3箇所)を順次実施しており、その間、新弁や配管の開口部(今後溶接する箇所)は養生がされていなかった。 |
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以上のことから、今回発見された異物は、前回定期検査時の主給水制御弁の取替工事において、溶断作業に伴い発生した金属片が仮設足場上に落下するなどし、新主給水制御弁や配管の取付け作業中に誤って仮設足場の下方にあった配管内に混入したものと推定された。
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