[記者発表][平成12年度10月]−[2日14時記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所4号機の定期検査状況について(蒸気発生器伝熱管全数の渦流探傷検査結果)(12−60)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所4号機(加圧水型軽水炉;定格出力87.0kW)は、平成12年9月6日から第12回定期検査を実施しているが、蒸気発生器伝熱管の健全性確認のため伝熱管の全数(10,111本)について、渦流探傷検査(ECT)を行った結果、A、B、C−蒸気発生器の伝熱管11本の高温側管板拡管部において、有意な欠陥信号指示が認められた。(表−1
 この事象による環境への放射能の影響はない。

 このため、信号指示が認められた伝熱管11本は、管板部で閉止栓(機械式栓)を施工し、使用しないこととする。

 なお、前回の定期検査でも同じ部位に欠陥信号が認められ、抜管調査の結果、原因は、製作時に伝熱管を管板部で拡管する際、伝熱管内面で局所的に大きい引張り残留応力が発生し、これと運転時の内圧とが相まって、伝熱管内面で応力腐食割れが発生したものと推定されており、今回の事象も同様の原因と推定されている。

(通産省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−


表−1. 高浜4号機 蒸気発生器伝熱管信号指示本数および施栓状況
  A−SG B−SG C−SG 合計
伝熱管設備本数 3,382 3,382 3,382 10,146
既施栓管本数
(予防施栓数を含む)
17 35
信号指示管本数
(管板拡管部)
11
累積施栓本数
(施栓率)
21
(0.6%)
10
(0.3%)
15
(0.4%)
46
(0.5%)


(参考)

前回定期検査時の蒸気発生器伝熱管信号指示本数
  A−SG B−SG C−SG 合計
信号指示管本数(前回定検)
元の位置へ▲


高浜4号機蒸気発生器伝熱管のECT概要図
ECT信号指示管位置図