[記者発表][平成12年度10月]−[13日15時資料配付] 原子力安全対策課
高速増殖原型炉もんじゅの平成12年度設備点検について(12−63)

 このことについて、核燃料サイクル開発機構から下記のとおり連絡を受けた。

 高速増殖原型炉もんじゅ(高速増殖原型炉;定格出力28.0万kW)は、平成7年12月8日に発生した、2次主冷却系ナトリウム漏えい事故のため停止しているが、設備・機器の保安確保のため、毎年計画的に実施している設備点検を平成12年10月16日より約5ケ月の予定で実施する。

 今回の設備点検では、毎年実施している安全保護系計器等の点検、2次主冷却系主循環ポンプの点検、デイーゼル発電機設備の分解点検等を実施する。
 また、設備保全の観点から、空調用冷媒設備の代替フロン化工事や制御盤内電装品の交換工事等を実施する。


(参考)

過去の設備点検
平成7年度設備点検 平成 8年 3月 18日 8年 8月 4日
平成8・9年度設備点検 平成 9年 3月 3日 9年 12月 11日
平成10・11年度設備点検 平成 10年 9月 28日 11年 9月 17日


1. 設備の点検
設備 点検内容
安全保護系等計器の点検 安全保護系等の計器類について、点検校正を実施する。
1次主冷却系設備 充填ドレン系のナトリウム弁の分解点検等を実施する。
2次主冷却系設備 2次主循環ポンプ(B)のメカニカルシール分解点検、2次主循環ポンプ(A、B)循環油系オイルユニットの分解点検等を実施する。
1次アルゴンガス系設備 1次アルゴンガス系圧縮機(A)の分解点検等を実施する。
原子炉補機冷却水系設備 原子炉補機冷却水ポンプ(A)の分解点検、熱交換器(A、B、C1、C2)の開放点検等を実施する。
原子炉補機冷却海水系設備 原子炉補機冷却海水ポンプ(A、C1)の分解点検、海水ストレーナの開放点検等を実施する。
メンテナンス冷却系設備 1次メンテナンス冷却循環ポンプ(B)の分解点検、2次メンテナンス冷却循環ポンプの分解点検等を実施する。
機器冷却系設備 機器冷却系冷却ポンプ(A)の分解点検等を実施する。
制御用圧縮空気設備 空気圧縮機(A、B)の分解点検、空気除湿装置除湿塔(A、B)の開放点検等を実施する。
放射性廃棄物処理設備 気体廃棄物処理系廃ガス圧縮機(A、B)の分解点検等を実施する。
換気空調設備 アニュラス循環排気ファン(B)の分解点検、原子炉容器室窒素雰囲気循環ファン(B)の分解点検等を実施する。
所内電源供給設備 所内電源高圧母線(1A、1C、1D)の盤内点検等を実施する。
デイーゼル発電機設備 デイーゼル発電機(A、B)の分解点検等を実施する。
直流電源設備 安全保護系(A、C)の直流電源設備の蓄電池の取替を実施する。

2.

設備保全等の対策
(1) 空調用冷媒設備の代替フロン化(図−1参照)
 環境対策(オゾン層保護)のため、空調用冷媒設備の冷凍機3台のうち1台について、冷凍機の冷媒として使用しているフロン(R−11)を代替フロン(R−123)に変更する(他の2台については実施済み)。
(2) 制御盤内電装品の交換(図−2参照)
 ナトリウム漏えい事故に伴い、エアロゾルの付着のあった制御盤については、清掃を実施するとともに点検を行い、健全性を確認しているが、信頼性確保の観点から、制御盤内での基盤およびリレー等の電装品の交換を計画的に実施する。今年度においては、2次系ナトリウムの液位や蒸気発生器での伝熱管漏えいの監視等を行っている制御盤(8面)について実施する(現在までに15面の制御盤について実施済み)。


平成12年度 設備点検主要工程