[記者発表][平成12年度10月]−[31日14時資料配付] 原子力安全対策課
敦賀発電所の原子炉設置変更許可について(12−67)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。
 県としては、敦賀発電所1号機の9×9燃料の採用計画が安全協定に基づく了解事項であることから、国の原子炉設置変更許可を踏まえ、今後、敦賀市と協議して慎重に対処していく。

 日本原子力発電株式会社は、敦賀発電所1号機の9×9燃料の採用計画と新型制御棒の採用計画について、平成11年2月12日、通商産業省に対し、原子炉等規制法に基づき原子炉設置変更許可申請を行っていたが、本日、通商産業省から原子炉設置変更許可を受けた。

<許可項目>
1号機に高燃焼度8×8燃料よりさらに高燃焼度化された9×9燃料を取替燃料として採用する。
1号機に中性子吸収材としてハフニウム板およびハフニウムフラットチューブを用いた新型制御棒を採用する。



(別紙)

原子炉設置変更の概要


1. 敦賀発電所1号機の9×9燃料の採用計画(添付1添付2添付3
変更内容 現在使用している高燃焼度8×8燃料(集合体最高燃焼度50,000MWd/t、集合体平均濃縮度約3.4wt%)より、さらに燃料集合体最高燃焼度を向上させた9×9燃料(集合体最高燃焼度55,000MWd/t、集合体平均濃縮度約3.7wt%)を採用する。
変更理由 使用済燃料の発生量を低減するため、高燃焼度化された9×9燃料を取替燃料として採用する。
採用計画 平成13年度(第27回定期検査)より装荷を開始予定。

2.

敦賀発電所1号機の新型制御棒の採用計画(添付4添付5
変更内容 既に採用している制御棒(タイプ1及びタイプ2)に加えて、従来型制御棒(タイプ1)の設計を基本にして、中性子吸収材にハフニウム(Hf)を用いることにより長寿命化を図った制御棒2種類(タイプ3及びタイプ4)を採用する。
タイプ3 十字形に組み合わせたステンレス鋼製のU字形シースの中に、ハフニウム板を納めたもの。
タイプ4 十字形に組み合わせたステンレス鋼製のU字形シースの中に、ハフニウムフラットチューブを納めたもの。
変更理由 定期検査時の制御棒取替本数を削減し、放射性廃棄物発生量を低減するため、長寿命化を図った制御棒を採用する。
採用計画 平成13年度(第27回定期検査)より使用を開始予定。



(添付1)

9×9燃料集合体基本仕様
項目 今回許可を受けた
9×9燃料
(参考)現在使用している
高燃焼度8×8燃料
1. 燃料集合体
燃料棒配列
燃料棒ピッチ
燃料棒数

平均濃縮度
最高燃焼度

9×9
約14mm
74本
(内部分長燃料棒8本)
約3.7wt%
55,000MWd/t

8×8
約16mm
60本

約3.4wt%
50,000MWd/t
2. 燃料棒
外径
燃料被覆管肉厚
燃料棒有効長さ

燃料被覆管材質

ペレット直径
ペレット−被覆管間隙
ペレット密度
He加圧量
ガドリニア濃度**
(ガドリニア入り燃料棒数)

約11.2mm
約0.71mm
標準燃料棒約3.7m
部分長燃料棒約2.1m
ジルカロイ−2
(ジルコニウム内張)
約9.6mm
約0.20mm
約97%TD
約0.3MPa
2〜4wt%程度
(11〜13本程度)

約12.3mm
約0.86mm
約3.7m

ジルカロイ−2
(ジルコニウム内張)
約10.4mm
約0.20mm
約97%TD
約0.3MPa
2〜5wt%
(9〜11本)
3. ウォータ・ロッド
形状
本数

管状
2本

管状
1本
4. スペーサ
型式

丸セル型

丸セル型
5. タイ・プレート
上部タイ・プレート
下部タイ・プレート

改良型
改良型

従来型
従来型
平均濃縮度とは、燃料集合体内の各燃料棒において濃縮度に変化を持たせた設計としていることから、全燃料棒の濃縮度の平均値を取った値である。
平均濃縮度 燃料集合体内の全ウラン235の重量 × 100 (wt%)
燃料集合体内の全ウラン重量
** ガドリニア濃度とは、ガドリニア入りペレット中のガドリニアの重量割合である。
ガドリニア濃度 ペレット内のガドリニアの重量 × 100 (wt%)
ペレット内の二酸化ウラン及びガドリニアの重量
元の位置へ



(添付4)

制御棒の基本仕様
制御棒タイプ 従来型 新型
タイプ1 タイプ2 タイプ3 タイプ4
寸法 有効長さ 約3.63 約3.63 約3.63 約3.63
ブレード厚さ(mm) 約8 約8 約8 約8
シース肉厚(mm) 約1.4 約0.8 約0.8
  質量(Kg) 約100 約100 約100 約100
中性子吸収材 ボロンカーバイト粉末 ハフニウム棒
ボロンカーバイト粉末
ハフニウム板 ハフニウムフラットチューブ
元の位置へ