平成13年4月17

                                                     原子力安全対策課

                                                     13

                                                     11時記者発表>

 

 

原子力発電所(平成13年度)の運転・建設計画について

 

 

 安全協定に基づき、各施設設置者から昨年度末に連絡を受けた平成13年度の運転・建設計画は、以下のとおりである。

 

 

1.運転計画の概要                            (図−1参照)

 

  平成13年度県内原子力発電所(建設中の高速増殖原型炉もんじゅを除く) 14基の平均の設備利用率は約81%、時間稼働率は約84%である。

 

運転期間としては、前回定期検査終了時からおおむね13ヶ月以内の運転を予定しているが、美浜1号機および高浜1号機では、作業重複の回避や作業員の確保のため、電気事業法に基づき経済産業省から定期検査時期変更の承認を得て、13ヶ月を超えて約1週間から2週間程度の運転期間の延長を行う予定である。

  また、今年度に定期検査を開始もしくは終了するプラントは合計13基あるが、発電停止期間としては、平均で約2.5ヶ月程度を予定しており、大飯4号機では発電停止期間を1ヶ月程度で予定している。

 

2.建設計画の概要

 

  高速増殖原型炉もんじゅの起動試験工程は、平成7年12月8日に発生した2次主冷却系ナトリウム漏えい事故のため未定である。

  なお、毎年度計画的に実施している設備点検は、本年9月から来年3月までの予定で実施する。

 

3.実証試験の概要                                             (表−1参照)

 

  実証試験計画は、平成8年度から実施している「大飯発電所4号機の高燃焼度燃料の先行照射」がある。

 

   表−1 平成13年度実証試験計画

 

 

 

 試

         概     要

大飯発電所

4号機

高燃焼度燃料体の

先行照射

高燃焼度燃料(55,000MWd/t)の

実用化に先立ち照射する。

(平成9年3月〜平成14年3月)

  当初8体装荷。平成12年度に実施した第6回定期検査で2体取出し。

 

 

4.原子炉設置変更許可申請計画                               (表−2参照)

 

  原子炉等規制法に基づく「原子炉設置変更許可申請計画」については、次の内容が計画されている。

 

   表−2 平成13年度原子炉設置変更許可申請

 発電所名

         申    請    概     要

高浜発電所

(H14.1 予定)

・使用済燃料輸送容器保管建屋の設置

  (1〜4号炉共用)

 

   (参考)   原子炉設置変更許可申請中の件名

 発電所名

         申    請    概     要

敦賀発電所

(H13.2.21申請)

(現在、2次審査中)

・使用済燃料の再処理委託先確認方法を一部変更

美浜発電所

(H13.2.21申請)

(現在、2次審査中)

・使用済燃料の再処理委託先確認方法を一部変更

高浜発電所

(H13.2. 6申請)

(現在、1次審査中)

・雑固体廃棄物の固型化処理の採用

・海水淡水化装置の設置

 (いずれも1〜4号炉共用)

 

5.主要設備の増・改造工事計画の概要                   (表−3参照)

 

 (1)日本原子力発電株式会社

   敦賀1号機では、定期検査時の制御棒取替体数を削減し、放射性廃棄物発生量を低減するため、今年度の定期検査から長寿命化を図った制御棒に順次取替える予定である。

   また、敦賀発電所では、雑固体減容処理設備設置工事を平成10年度から実施しており、平成14年1月頃に設備を完成する予定である。

 

 (2)核燃料サイクル開発機構

   新型転換炉ふげん発電所は、今年度は設備の増改造計画はない。

                                                      

 (3)関西電力株式会社

 ・原子炉容器上部ふた取替工事については、平成7年度より、7プラントを対象に実施していたが、今年度に美浜1号機で実施することにより、取替工事計画を終了する予定である。

 ・美浜1号機では、中央制御室における監視・操作性および保守性の向上を図るため、中央制御盤の監視部と操作部との一体化を行う中央制御盤取替工事を実施する予定である。

 ・大飯1、2号機では、原子炉補機冷却水系統の号機間分離のための改造工事を昨年度から実施しているが、今年度は、号機間分離や冷却水クーラの取替え等を実施し工事を完了する予定である。

 ・使用済燃料貯蔵設備増強工事については、大飯発電所4号機(H11.12〜)において、使用済燃料ピット増設工事を実施中であり、美浜発電所3号機においては、使用済燃料貯蔵ラックの改造工事を実施中であり(H11.10〜)、いずれも平成13年夏頃に完成予定である。

 この他、美浜発電所の雑固体処理装置設置工事(H7.12〜)については、平成7年12月から工事を開始し、平成12年8月に工事を完了する予定であったが、現在も溶融炉の試運転を実施しており、運転開始時期は平成14年1月頃を予定している。

 

6.燃料輸送計画の概要                         (表−4、5参照)

 

 (1)新燃料集合体

   県内12プラントにおいて、合計610体の輸送が計画されている。

 

 (2)使用済燃料集合体

   県内6プラントにおいて、合計375体の輸送が計画されており、そのうち258体については、県内から初めて日本原燃釜Zヶ所再処理工場に搬出される予定である。

 

7.低レベル放射性固体廃棄物輸送計画の概要                   (表−6参照)

 

   美浜発電所、大飯発電所において、合計1,856本の低レベル放射性固体廃棄物を日本原燃株式会社六ヶ所低レベル放射性廃棄物埋設センターへ輸送する予定である。