平成13年5月23日
原子力安全対策課
                            (13−15)
                            <16時記者発表>
 
 
新型転換炉ふげん発電所の原子炉手動停止について
(ヘリウム循環系配管の点検)
 
 
 このことについて、核燃料サイクル開発機構から下記のとおり連絡を受けた。
 
 
 
 
 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉;定格出力16.5万kW)は、平成13年1月19日から本格運転中であるが、4月に平成12年度の放射性廃棄物管理記録を整理したところ、主排気筒トリチウム濃度の分析値*1が、1月下旬以降、通常値より高い傾向を示していることがわかった。なお、主排気筒のトリチウム濃度を連続的に監視しているモニタの指示は、検出限界(3.5×10−2 Bq/cm)未満で変動していない。
 このため、4月中旬以降、トリチウムの放出源の調査を行ったところ、アニュラス(原子炉格納容器と外周コンクリート壁の間の密閉空間)内のトリチウム濃度(約6×10−2 Bq/cm)が高いことがわかった。

 また、アニュラス内でトリチウムを内包する配管としては、ヘリウム循環系配管*2しかないことから、5月15日に当該配管をビニールシートで覆った結果、アニュラス内のトリチウム濃度の低下が認められた。

 このことから、当該配管からトリチウムがわずかに漏えいしていると判断し、本日20時から出力を低下させ、明日未明に原子炉を停止し、当該配管の点検を行うこととした。

 今回の事象による環境への放射能の影響はない。
 
 *1:排気筒からのトリチウム(三重水素)の放出量を管理するために、排気中の水分を連続して回収し、1週間に1度分析している。
    トリチウム放出濃度 通常値:2〜3×10−4 Bq/cm 今回値: 約5 ×10−4 Bq/cm
 *2:減速材として用いられている重水のカバーガス(ヘリウム)を循環させる系統。


図面(添付資料)

 
(経済産業省によるINESの暫定評価尺度)




 

 基準1 

 基準2

 基準3 

評価レベル

  −
 

  −
 

  0−
 

  0−