このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。
敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力116.0万kW)は、定格出力で運転中のところ、12月24日、原子炉格納容器内の化学体積制御系配管からの漏えいを発見したため、同日原子炉を手動停止した。
なお、この事象による環境への放射能の影響はない。
調査の結果、当該曲げ配管の割れは、製造段階において配管の内表面に亜鉛が付着し、その状態で高温の曲げ加工を実施したため、低融点金属による粒界割れが発生し、その後の運転により、貫通に至ったものと推定された。また、Uボルトの変形及び配管の擦り傷は、ボルトと配管の隙間に異物が混入し僅かに拘束されていたが、割れの原因とはならないことが判明した。
[平成8年12月24日、26日、平成9年1月20日発表済]
対策として、当該曲げ配管部および調査のため切り出した曲げ配管部については、曲げ加工時の製造管理を徹底し、割れがないことを内面鏡で検査した新品のものに取り替え、耐圧漏えい試験により健全性を確認した。
また、同じ工場で製造・加工した類似曲げ配管部59箇所について、念のため超音波探傷試験により健全性を確認した。
なお、変形したUボルトは新品と取り替え、類似Uボルトについても健全性を確認した。
これら対策作業が完了したため、本日夕刻、原子炉を起動し、翌28日午後に発電を再開する予定である。
(通商産業省によるINESの暫定評価尺度) |
基準1 |
基準2 |
基準3 |
評価レベル |
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系統概要図
化学体積制御系抽出配管取替範囲図