[記者発表][平成8年度1月]−[31日14時記者発表] 原子力安全対策課
敦賀発電所1号機の原子炉起動と調整運転開始について(第24回定期検査)(8−95)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉;定格出力35.7万kW)は、平成8年11月21日から第24回定期検査を実施していたが、明日2月1日夕刻に原子炉を起動し、同日夜臨界となる予定である。
 今後は諸試験を実施し、2月上旬(2月4〜7日頃)に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、2月下旬には通商産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

タービンバランシング作業(調整運転開始前にタービンの回転数を上昇させて振動を測定し、振動が大きい場合には、タービンの車軸におもりを取り付け、振動が小さくなるように調整する作業)等の実施の有無により、調整運転の開始が前後する。


1. 燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数308体のうち、計画的に64体を新燃料集合体(全て高燃焼度燃料集合体)に取替えた。

2.

主要改造工事等
(1) 原子炉自動停止用地震計設置工事(図−1参照)
 現在、原子炉建屋1階に設置されている水平方向の原子炉自動停止用地震計(加速度検出器;4台)に加え、原子炉建屋地下1階(最下階)に、新たに水平方向の原子炉自動停止用地震計(加速度検出器;4台)、鉛直方向の原子炉自動停止用地震計(加速度検出器;4台)を設置した。
 なお、新たに設置する地震計の原子炉自動停止設定値については、水平方向160ガル以下、鉛直方向80ガル以下に設定した。
(2) 低圧タービン内部車室修繕工事(図−2参照)
 低圧タービンの内部車室の水平継ぎ手面および補強リブ溶接部の浸食による減肉が認められた箇所について、肉盛溶接を実施し、機能維持を図った。
(3) 原子炉再循環ポンプメカニカルシールシールパージ水流路変更工事(図−3参照)
 原子炉再循環ポンプの軸封部(メカニカルシール)の機能低下により、本年8月と10月の2回原子炉を停止したことに鑑み、原子炉再循環ポンプ(3台)のメカニカルシールシールパージ水流路を変更し、微小な錆等の異物を含んだ炉水がメカニカルシール内に混入しにくい構造とした。
(4) 水素注入装置の設置工事(図−4参照)
 原子炉圧力容器内にある構造物の応力腐食割れ(SCC)に対する予防保全対策として、今定期検査終了後、原子炉冷却材に水素の連続注入を行う。
 なお、平成7年12月に水素注入に対するプラントの予備調査として、短期間の水素注入を実施しており、水素注入設備装置やモニタリング装置等は既に設置済みであったが、今定期検査においては、水素および酸素を連続的に供給する水電解装置の設置に伴う配管工事等を実施した。

3.

次回定期検査の予定
 平成10年 春頃