[記者発表][平成8年度3月]−[19日13時資料配付] 原子力安全対策課
美浜発電所および大飯発電所の原子炉設置変更許可について(8−111)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。
 県としては、原子炉容器上部ふた取替計画が安全協定に基づく了解事項であることから、国の原子炉設置変更許可を踏まえ、今後、立地町と協議して慎重に対処していく。

 関西電力株式会社は、美浜発電所1・2号機および大飯発電所1・2号機の原子炉容器上部ふた取替え、大飯発電所の雑固体廃棄物の固型化処理の採用に関連して、平成8年7月29日、原子炉等規制法に基づき原子炉設置変更許可申請を通商産業省に行っていたが、昨日通商産業省から原子炉設置変更許可がなされた。


(参考)

美浜発電所1・2号機および大飯発電所1・2号機の原子炉容器上部ふた取替計画に係る経緯


平成8年5月27日 ・・・・・・ 関西電力株式会社は、県および立地町に安全協定に基づく「事前了解願い」を提出

平成8年7月29日

・・・・・・

県および立地町は、国への手続きについて了承
関西電力株式会社は、国に原子炉設置変更許可を申請

平成8年10月4日

・・・・・・

大飯発電所原子炉設置変更許可申請書添付書類を一部補正

平成8年11月5日

・・・・・・

通商産業大臣から原子力委員会および原子力安全委員会に対して諮問

平成9年1月27日

・・・・・・

原子力安全委員会より通商産業大臣に対して答申

平成9年1月28日

・・・・・・

原子力委員会より通商産業大臣に対して答申

平成9年3月18日

・・・・・・

通商産業省は関西電力株式会社に対し、美浜、大飯発電所原子炉設置変更許可


[原子炉施設変更の概要]

1. 原子炉容器上部ふた取替工事

対象プラント 美浜1、2号炉
大飯1、2号炉
変更内容
a. 出力分布調整用制御棒クラスタ駆動装置を撤去する。
b. 美浜1号及び3号炉共用の蒸気発生器保管庫を1号、2号及び3号炉の共用にするとともに、1号及び2号炉の取り外した原子炉容器上部ふた等を貯蔵保管する。
また、大飯発電所1号及び2号炉用の蒸気発生器保管庫を1号及び2号炉共用にするとともに1号及び2号炉の取り外した原子炉容器上部ふた等を貯蔵保管する。
変更理由
a. 原子炉容器上部ふたの取替えに際し、取替え後は現在使用していない出力分布調整用制御棒クラスタ駆動装置を設けない原子炉容器上部ふたとなるため。
b. 取り外した原子炉容器上部ふた等を蒸気発生器保管庫に貯蔵保管するため、蒸気発生器保管庫の保管対象物に原子炉容器上部ふた等を追加する。
美浜発電所については、1号及び2号炉の取り外した原子炉容器上部ふた等を蒸気発生器保管庫(1号及び3号炉用)に貯蔵保管するため、これを1号、2号及び3号炉共用とする。
また、大飯発電所については、1号及び2号炉の取り外した原子炉容器上部ふた等を蒸気発生器保管庫(2号炉用)に貯蔵保管するため、これを1号及び2号炉共用とする。また、今回の原子炉容器上部ふた取替えに伴い発生する放射性固体廃棄物の一部を蒸気発生器保管庫(1号炉用)に貯蔵保管するので、これを1号及び2号炉共用とする。
工程
1. 美浜発電所
1号炉 平成 11年 12月 平成 12年 4月
2号炉 平成 11年 8月 平成 11年 11月
2. 大飯発電所
1号炉 平成 11年 2月 平成 11年 7月
2号炉 平成 10年 9月 平成 11年 1月

2. 雑固体廃棄物の固型化処理の採用

対象プラント 大飯1号、2号、3号及び4号炉
変更内容 大飯1号、2号、3号及び4号炉の雑固体廃棄物について固型化処理を採用する。
変更理由 固体廃棄物のうち、現在、雑固体廃棄物(不燃物)の処理については、必要に応じて圧縮減容後ドラム詰め等を行い貯蔵保管しており、今回、これに加え固型化材(モルタル)を充てんして固型化する処理を採用することにより、雑固体廃棄物(不燃物)の固型化処理を行う。
工程
大飯発電所
平成10年11月〜平成11年11月


図1 美浜発電所、大飯発電所構内配置図
図2 美浜発電所1、2、号機、大飯発電所1、2号機原子炉容器上部ふた取替え前後比較図
図3 美浜発電所、大飯発電所原子炉容器上部ふた保管状況図(設置変更許可審査対象)
図4 大飯発電所固体廃棄物処理系統図(1号及び2号炉)
図5 大飯発電所 雑固化体廃棄物の固型化処理概念図