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大飯発電所2号機の原子炉手動停止の原因と対策について(8−44) |
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このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。
大飯発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力117.5万kW)は、全出力で運転中のところ、本年8月25日1時頃から、4台ある1次冷却材ポンプモータの1台(A号機)の下部軸受温度が上昇傾向を示したので、念のため原子炉を手動停止し、点検・調査を実施することとした。
なお、環境への放射能の影響はなかった。[平成8年8月25日記者発表済]
平成 |
8年 |
8月 |
25日 |
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3時 |
5分 |
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出力降下開始 |
平成 |
8年 |
8月 |
25日 |
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10時 |
5分 |
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発電停止 |
平成 |
8年 |
8月 |
25日 |
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10時 |
48分 |
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原子炉停止
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本年7月18日に、当該ポンプモータ下部軸受冷却水流量が約1.8m3/hから約0.9m3/hに低下した後、徐々に低下傾向を示し、8月22日には約0.6m3/hにまで低下していたことから、当該軸受冷却水系統について、点検・調査を実施した結果、軸受冷却水出口弁から金属製の異物が認められた。
さらに、この異物について成分分析を実施した結果、過去の定期検査時に実施した放射性機器冷却水クーラ(全3台)の伝熱管取替作業時に発生した伝熱管の切りくずと推定された。
これらのことから、今回のモータ下部軸受温度上昇の原因は、当該モータ下部軸受冷却水出口弁に異物が詰まったことにより、軸受冷却水流量が低下し、軸受温度上昇に至ったものと推定された。
対策として、異物が認められた弁については、念のため新品と取り替えた。また、他の3台の1次冷却材ポンプについても、類似箇所の弁等の点検を行い、異物等がないことを確認するとともに、放射性機器冷却水クーラについては、胴側冷却水の一部水抜きを行い、異常がないことを確認した。
さらに、今後の対策として、放射性機器冷却水クーラ伝熱管取替時には、切りくず除去後の目視点検に加えて、ファイバースコープによる点検を行い、異物管理を徹底することとした。
今後、本日17時頃に原子炉を起動し、8月30日12時頃発電を再開する予定である。
(通商産業省によるINESの暫定評価尺度) |
基準1 |
基準2 |
基準3 |
評価レベル |
− |
− |
0− |
0− |
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1次冷却材ポンプ構造図
放射性機器冷却水系統図