[記者発表][平成8年度11月]−[22日16時発表] 原子力安全対策課
高浜発電所2号機の出力降下の原因と対策について(8−73)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力82.6万kW)は、定格出力で運転中のところ、2系統ある給水系のうちA系統の第6高圧給水加熱器ドレン流量の増加傾向が認められたため、11月20日11時から出力降下を開始、13時30分に約75%出力として、点検・調査を実施した。
 なお、今回の事象による環境への放射能の影響はない。[平成8年11月20日 記者発表済]

 調査の結果、第6A給水加熱器伝熱管1本が、給水出口側管板付近で破断していることが確認された。また破断管の隣接管6本のうち、2本に漏えいが認められ、他の4本についても渦電流探傷検査の結果、有意な信号指示が認められた。このことから、伝熱管内を流れる給水(2次冷却水)が当該加熱器内で漏洩し、ドレン流量が増加したものと判明した。

 対策として、漏えい管3本および渦電流探傷検査で有意な指示が認められた伝熱管4本について施栓することとした。また、漏えい管に隣接する伝熱管6本についても、異常は認められなかったが、念のため、施栓することとした。

 今後は、損傷管および周辺の伝熱管の施栓を行った後、明日11月23日昼頃から出力を徐々に上昇させ、同日夜に定格出力に復帰する予定である。

(通商産業省によるINESの暫定評価尺度)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
0− 0−
INES: 国際原子力評価尺度


系統概要図