[記者発表][平成9年度1月]−[13日10時30分記者発表] 原子力安全対策課
大飯発電所1号機の原子炉起動と調整運転開始について(第14回定期検査)(9−96)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所1号機(加圧水型軽水炉;定格出力117.5万kW)は、平成9年10月23日から第14回定期検査を実施していたが、平成10年1月14日午前に原子炉を起動し、翌15日未明に臨界となる予定である。
 今後は諸試験を実施し、1月中旬(1月17日頃)に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、2月中旬には通商産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

タービンバランシング作業(調整運転開始前にタービンの回転数を上昇させて振動を測定し、振動が大きい場合には、タービンの車軸におもりを取り付け、振動が小さくなるように調整する作業)等の実施の有無により、調整運転の開始が前後する。


1. 燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数193体のうち、81体(うち80体が新燃料集合体で、新燃料は全て高燃焼度燃料集合体)を取り替えた。

2.

蒸気発生器伝熱管の渦電流探傷検査結果
 蒸気発生器伝熱管全数(13,528本)について、渦電流探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。

3.

制御棒駆動装置ハウジング等キャノピーシール部の渦電流探傷検査結果(図−1参照)
 制御棒駆動装置ハウジング等のキャノピーシール部全数(上部53ヶ所、中間部61ヶ所、下部78ヶ所、合計192ヶ所)について、渦電流探傷検査を実施した結果、下部5ヶ所に信号指示が認められ、原因は、内面からの応力腐食割れと推定された。
 対策として、信号指示の認められた下部5ヶ所について、信号指示部位を切削し補修溶接した上で、キャノピーシール全周の肉盛溶接を実施した。<平成9年11月18日記者発表済>

4.

主要工事等
(1) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−2参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台あるポンプのうち、Bポンプの分解点検(10年に1回)を行い、ポンプケーシング等耐圧部の健全性を確認した。

5.

次回定期検査の予定
 平成11年 冬頃