[記者発表][平成9年度3月]−[13日14時記者発表] 原子力安全対策課
大飯発電所3号機の第5回定期検査開始について(9−114)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉;定格出力118.0万kW)は、3月16日から約2カ月の予定で第5回定期検査を実施する。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。

(1) 原子炉本体
(2) 原子炉冷却系統設備
(3) 計測制御系統設備
(4) 燃料設備
(5) 放射線管理設備
(6) 廃棄設備
(7) 原子炉格納施設
(8) 非常用予備発電装置
(9) 蒸気タービンおよび蒸気タービン付属設備


1. 主要工事等
(1) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台あるポンプのうち、Bポンプについて、主フランジボルト、締め付け部等耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検する。
(2) 余熱除去系、格納容器スプレイ系配管接続工事(図−2参照)
 アクシデントマネジメント対策として、工学的安全注入系の再循環モード(*1)の多様化を想定し、長期的に炉心冷却を継続し、炉心損傷を防止するため、格納容器スプレイポンプを用いた再循環も可能なように、余熱除去系と格納容器スプレイ系を接続する配管を設置する。
*1; 工学的安全注入系の再循環モード
 1次冷却材喪失事故が発生すると、工学的安全注入系(高圧注入系、低圧注入系)が起動し、燃料取替用水タンクのホウ酸水を原子炉内に注入する。この状態が継続し、燃料取替用水ピットの水位が低下すると、漏えいして格納容器再循環サンプに溜まっている冷却水を余熱除去ポンプにより原子炉に注入する再循環モードに移行し、長期的な炉心冷却ができるようになっている。
(3) 原子炉格納容器供用期間中検査(図−3参照)
 原子炉格納容器(プレストレスト・コンクリート製格納容器:PCCV)の供用期間中検査として、縦方向緊張ケーブル4本および円周方向緊張ケーブル5本について引張り力を測定し、適切な緊張力が確保されていることを確認する。

2.

燃料取替計画
 燃料集合体全数193体のうち、77体(うち76体は新燃料集合体で新燃料は全て高燃焼度燃料)を取り替える予定である。

3.

運転再開予定
原子炉起動・臨界 平成10年4月下旬
発電再開(調整運転開始) 平成10年4月下旬
定期検査終了(営業運転再開) 平成10年5月中旬