[記者発表][平成9年度3月]−[30日16時15分資料配付] 原子力安全対策課
高速増殖原型炉もんじゅ安全性総点検結果について(知事談話)(9−119)

本日、科学技術庁に設置された「高速増殖原型炉もんじゅ安全性総点検チーム」会合が開催され、報告書「高速増殖原型炉もんじゅ安全性総点検結果について」が了承された。


安全性総点検チームは、科学技術庁原子力安全技術顧問を中心として他の組織の専門家も含め、平成8年10月に設置され、総点検の基本的な方針を定め、これを踏まえて動燃事業団が実施した総点検結果の評価を行い、必要に応じ現場での点検も行うなど、27回のオープンな会合を重ねて今回の報告書を取りまとめたところである。


今回の総点検では、もんじゅ施設の設計の妥当性の検討、設置許可後の新知見から見た安全性の検討、運転や品質管理に係るマニュアル類の妥当性の検討等、種々の角度から点検が行われた。


その結果、ナトリウム漏えい事故に対する設備の改善策の妥当性だけでなく、水・蒸気系の温度計等のさやの改善、品質保証活動の充実等が指摘されるとともに、今後の国の安全規制業務のなかで、動燃事業団の安全性維持のための活動が的確に実施されていることを把握し、適切な指導を行うことが不可欠であるとしている。


県としては、今回の総点検で、もんじゅの安全性について様々な角度から専門的に点検され、報告書として取りまとめられたことは、もんじゅの信頼性向上の観点から一定の評価ができるものと考える。


今後、今回の報告書の内容について国から十分説明を受けるとともに、動燃事業団が実施した総点検結果についても報告を受け、県として十分確認する考えである。


もんじゅについては、原子力安全委員会ワーキンググループの「もんじゅ事故第3次報告書(案)」や「研究開発段階の原子力施設の安全確保の在り方(案)」について、国民からの意見公募の検討も行われている。
今後、これらの結果や今回の報告書等も十分踏まえ、国の責任において研究開発段階の原子炉の安全審査の具体的な在り方も含め、もんじゅ全体の安全性を再確認することが重要であると考える。