[記者発表][平成9年度4月]−[17日14時記者発表] 原子力安全対策課
敦賀発電所2号機の第8回定期検査開始について(9−10)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 敦賀発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力116.0万kW)は、4月18日から約4カ月の予定で第8回定期検査を実施する。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。

(1) 原子炉本体
(2) 原子炉冷却系統設備
(3) 計測制御系統設備
(4) 燃料設備
(5) 放射線管理設備
(6) 廃棄設備
(7) 原子炉格納施設
(8) 非常用予備発電装置
(9) 蒸気タ−ビンおよび蒸気タ−ビン付属設備


1. 主要工事等
(1) 原子炉容器頂部温度低減対策工事(図−1参照)
 原子炉容器上部ふた(管台貫通部)の長期信頼性向上の観点から、原子炉容器内に流入した1次冷却材を頂部に導くスプレイノズルの内径を大きくすることにより、原子炉容器頂部への1次冷却材の流入量を増加させ、頂部温度の低減を図る。
(2) 蒸気発生器伝熱管抜管調査工事(図−2参照)
 C−蒸気発生器の伝熱管2本について、インコネルTT600材製伝熱管の健全性確認のため、抜管調査工事を行う。なお、抜管した伝熱管については、高温、低温の両側を施栓することとしている。
(3) 原子炉容器の供用期間中検査(図−3参照)
 原子炉容器の供用期間中検査(10年計画)に基づき、原子炉容器胴部の溶接部等について、超音波探傷検査により健全性を確認する。
(4) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−4参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台あるポンプのうち、Aポンプの分解点検(10年に1回)を行い、ポンプケーシング等耐圧部の健全性を確認する。
(5) 放水口消泡対策工事(図−5参照)
 放水口の恒久的消泡対策のため、放水口を現状の越流堰方式からもぐり堰水中放流方式に変更する。
(6) アクシデントマネジメント対策工事(図−6参照)
 アクシデントマネジメント対策として、ECCS再循環モード(*1)への移行に失敗した場合、格納容器スプレイポンプを用いた再循環を行うことにより、長期的炉心冷却を継続し、炉心損傷を防止するため、余熱除去系と格納容器スプレイ系を接続する配管を設置する。
*1;

ECCS再循環モード

 1次冷却材喪失事故が発生し、ECCS系(高圧注入系、低圧注入系)が起動した場合、燃料取替用水タンクのホウ酸水を原子炉内に注入する。さらに、燃料取替用水タンクの水位が低下すると、漏えいして格納容器再循環サンプに溜まった冷却水を余熱除去ポンプにより原子炉に注入する再循環モードに移行する。


2.

燃料取替計画
 燃料集合体全数193体のうち、72体を新燃料集合体(全て高燃焼度燃料集合体)に取り替える予定である。

3.

運転再開予定
原子炉起動・臨界 平成9年7月中旬
発電再開(調整運転開始) 平成9年7月中旬
定期検査終了(営業運転再開) 平成9年8月中旬