[記者発表][平成9年度5月]−[6日11時記者発表] 原子力安全対策課
美浜発電所2号機の原子炉起動と調整運転開始について(第16回定期検査)(9−15)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 美浜発電所2号機(加圧水型軽水炉;定格出力50.0万kW)は、本年2月2日から第16回定期検査を実施していたが、本日5月6日夜に原子炉を起動し、明日7日午前臨界となる予定である。
 今後は諸試験を実施し、5月上旬(5月9日頃)に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、6月上旬には通商産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

タービンバランシング作業(調整運転開始前にタービンの回転数を上昇させて振動を測定し、振動が大きい場合には、タービンの車軸におもりを取り付け、振動が小さくなるように調整する作業)の実施の有無により、調整運転の開始が前後する。


1. 燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数121体のうち、49体(うち32体が新燃料集合体で、新燃料は全て高燃焼度燃料集合体)を取り替えた。

2.

蒸気発生器伝熱管の渦電流探傷検査結果
 蒸気発生器伝熱管全数(6,764本)について、渦電流探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。

3.

制御棒駆動装置ハウジング等キャノピーシール部の渦電流探傷検査結果(図−1参照)
 制御棒駆動装置ハウジング等のキャノピーシール部全数(上部29ヶ所、中間部33ヶ所、下部40ヶ所、合計102ヶ所)について、渦電流探傷検査を実施した結果、13ヶ所(上部3ヶ所、下部10ヶ所)に信号指示が認められ、原因は、内面からの応力腐食割れと推定された。
 対策として、上部3ヶ所については、ハウジングのキャップを取り替え、キャノピーシールを溶接復旧し、下部10ヶ所については、信号指示の認められた部位を切削し補修溶接した上で、キャノピーシール全周の肉盛溶接を実施した。

4.

次回定期検査の予定
 平成10年度 春頃