[記者発表][平成9年度10月]−[16日14時記者発表] 原子力安全対策課
高浜発電所3号機の原子炉起動と調整運転開始について(第10回定期検査)(9−62)

 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 高浜発電所3号機(加圧水型軽水炉;定格出力87.0万kW)は、本年8月18日から第10回定期検査を実施していたが、明日10月17日夕方に原子炉を起動し、翌18日未明に臨界となる予定である。
 今後は諸試験を実施し、10月下旬(10月21日頃)に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、11月中旬には通商産業省の最終検査を受けて営業運転を再開する予定である。

タービンバランシング作業(調整運転開始前にタービンの回転数を上昇させて振動を測定し、振動が大きい場合には、タービンの車軸におもりを取り付け、振動が小さくなるように調整する作業)の実施の有無により、調整運転の開始が前後する。


1. 燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数157体のうち、57体(うち52体が新燃料集合体で、新燃料は全て高燃焼度燃料集合体)を取り替えた。

2.

蒸気発生器伝熱管の渦電流探傷検査結果
 蒸気発生器伝熱管全数(10,118本)について、渦電流探傷検査を実施した結果、異常は認められなかった。

3.

主要工事等
(1) 1次冷却材ポンプ供用期間中検査(図−1参照)
 1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、3台あるポンプのうち、Aポンプの分解点検(10年に1回)を行い、ポンプケーシング等耐圧部の健全性を確認した。
(2) 原子炉容器頂部温度低減対策工事(図−2参照)
 原子炉容器上部ふた(管台貫通部)の長期信頼性向上の観点から、原子炉容器内に流入した1次冷却材を頂部に導くスプレイノズルの内径を大きくすることにより、原子炉容器頂部への1次冷却材の流入量を増加させ、頂部温度の低減を図った。

4.

次回定期検査の予定
 平成10年 冬頃