[記者発表][平成9年度10月]−[17日15時45分発表] 原子力安全対策課
新型転換炉ふげん発電所の圧力管からの漏えいについて(調査状況について)(9−65)

 このことについて、動力炉・核燃料開発事業団から下記のとおり連絡を受けた。

 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉;定格出力16.5万kW)は、8月7日から第14回定期検査を実施しており、圧力管の供用期間中検査のため、燃料交換機を用いて圧力管検査装置を圧力管内に装填した。その後、燃料交換機と圧力管との切り離し操作を行っていたところ、16日15時25分頃、「燃料交換機スナウト リーク大」の警報が発生し、中央制御室でのモニタテレビにより圧力管から原子炉冷却材が漏えいしているのが確認された。直ちに燃料交換機と圧力管との結合操作を行い、漏えいは停止した。
 なお、この事象による周辺環境への放射能の影響はなく、また今回の作業は遠隔操作のため従事者の被ばくはない。[平成9年10月16日記者発表済]

 燃料交換機の調査を行ったところ、検査装置が燃料交換機内にあることが判明した。このことから、今回検査装置を圧力管内に挿入したが、圧力管内に正常に装着されず、燃料交換機グラブ(継ぎ手)機構を下降させた際、検査装置が一緒に下降した。その状態で燃料交換機と圧力管との切り離し操作を行ったため、圧力管から原子炉冷却材が漏えいしたものと推定された。
 検査装置が圧力管内に正常に装着されなかった原因や、漏えいに至った原因等については、今後詳細に調査を行う。
 なお、漏えいした圧力管については、既に正規のシールプラグを取り付け、漏えいのないことを確認している。


(参考)

科学技術庁による国際原子力評価尺度の暫定評価は0


原子炉全体図(立断面)
圧力管モニタリング装置概略図
圧力管検査作業操作工程