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新型転換炉ふげん発電所の重水精製装置建屋スタックトリチウムモニタの上昇について(原因と対策について)(9−77) |
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このことについて、動力炉・核燃料開発事業団から下記のとおり連絡を受けた。
新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉;定格出力16.5万kW、第14回定期検査中)の重水精製装置
において、11月5日、電解運転を行うための準備として、ドラム缶に入った劣化重水を系統に供給したところ、12時3分頃、ドラム缶と系統をつないでいるフレキシブルチューブ(ステンレス鋼製)の系統側配管との接続部付近から重水が微量漏えいしているのを確認した。
直ちに紙ウェスにより漏えいした重水をふき取ったが、重水精製装置建屋スタックトリチウムモニタの指示値が上昇したことから、12時15分に重水精製装置
の換気系を手動停止(装置は換気系停止に伴い自動停止)するとともに、重水精製装置
の換気系も手動停止したが、同時刻に「重水精製装置建屋スタックトリチウムモニタ高」の警報が発生した。
その後、同モニタの指示値は低下し、12時37分に高警報はリセットされた。今回の事象による周辺環境への放射能の影響はない。[11月5日記者発表済]
フレキシブルチューブについて詳細点検を行ったところ、蛇腹形状となっているチューブの谷の部分で、周方向に長さ約15mmのき裂が確認された。
当該フレキシブルチューブは、劣化重水供給作業に伴うドラム缶との接続作業の際に、系統側配管との接続部で繰り返し曲げられることから、フレキシブルチューブで繰り返し疲労によるき裂が生じ、重水が漏えいしたものと推定された。
このため、繰り返し曲げてもき裂が生じないように、ステンレス鋼製のフレキシブルチューブを使用している11箇所(当該を含む)については、ビニール製のブレードホース(ビニール中に補強のために化学繊維を施してあるホース)に取り替えるとともに、今後定期的(2年に1回)に取り替えることとした。
また、重水供給作業の際には、万一ブレードホースから重水が漏れた場合でも、トリチウムが拡散しないように、ホース全体を筒状のビニールで養生することとした。
重水精製装置建屋配置図
重水精製装置(
)概略系統図
重水漏えい時の状況図