[記者発表][平成9年度11月]−[18日15時記者発表] 原子力安全対策課
敦賀発電所1号機の動作不良制御棒の点検調査状況について(9−81)

 このことについて、日本原子力発電株式会社から下記のとおり連絡を受けた。

 敦賀発電所1号機(沸騰水型軽水炉;定格出力35.7万kW)は、定格出力運転中の平成9年10月23日、制御棒駆動系の定期試験において、制御棒73本のうちの1本が動作しないことが確認されたことから、念のため、当該制御棒や制御棒駆動系の点検調査を行うこととし、10月25日6時00分に原子炉手動停止した。なお、この事象による環境への放射能の影響はなかった。

[点検調査状況]
 当該制御棒セルの4体の燃料集合体に隣接する燃料集合体32体を取り出し、当該制御棒を周辺から水中カメラにより観察した結果、制御棒ブレード4枚のうち1枚で膨らみ状の変形があり、燃料集合体と干渉していることが確認された。また、当該ブレード上部に微小な線状模様が認められた。[平成9年10月24日、11月7日発表済]

 その後、炉内に装荷していた他の類似制御棒(タイプ2)8体を使用済燃料プールに移動し、水中カメラにて外観点検を実施したところ、うち1体に線状模様(16箇所)および点状模様(1箇所)が確認され、4箇所の線状模様から気泡が発生しているのが確認された。
 当該制御棒については、当該セルの燃料集合体4体の取り出しを終了し、今後、詳細調査を引き続き実施する予定である。


制御棒(タイプ2)構造図
制御棒30−15の点検結果