[記者発表][平成9年度12月]−[22日15時記者発表] 原子力安全対策課
新型転換炉ふげん発電所の原子炉起動と調整運転開始について(第14回定期検査)(9−92)

 このことについて、動力炉・核燃料開発事業団から下記のとおり連絡を受けた。

 新型転換炉ふげん発電所(新型転換炉原型炉;定格出力16.5万kW)は、本年8月7日から第14回定期検査を実施していたが、12月23日早朝に原子炉を起動し臨界とした後、翌24日夕刻に定期検査の最終段階である調整運転を開始する予定である。
 調整運転開始後は、出力を徐々に上げながらプラント性能の確認を行い、1月下旬には国の最終検査を受けて本格運転を再開する予定である。

1. 燃料集合体の検査結果
 燃料集合体の外観検査を実施した結果、異常は認められなかった。
 燃料集合体全数224体のうち24体を新燃料集合体(うち混合酸化物燃料は18体)に取り替えた。

2.

主要工事等
(1) 湿分分離器水位高高検出用レベルスイッチの移設工事(図−1参照)
 本年4月15日に「湿分分離器水位高高」信号発信に伴い原子炉自動停止したことに鑑み、「湿分分離器水位高高」検出用レベルスイッチ(A、B両系統で計6個)にドレンフラッシュの影響が及ばないよう検出位置を変更した。
(2) 1次冷却系計測装置更新工事
 予防保全のため、1次冷却材の圧力、流量、水位計測装置(中央制御室補助盤を含む)を取り替えた。

3.

局部出力検出装置検出器集合体(LPM)交換時の不具合(図−2参照)
 局部出力検出装置検出器集合体(LPM)全16体のうち8体の交換作業を行っていたところ、2体について新しいLPMが挿入できない事象が発生、取り替えた1体のLPM先端部(プランジャ部)が脱落しているのが確認された。調査の結果、カランドリアタンク内のLPMガイド部2箇所で、今回脱落したものと過去に使用した(昭和62年〜平成4年)LPMのプランジャ部が残存しているのが確認された。
 原因は、プランジャ接続部のネジ廻り止めが十分でなく、運転中のわずかな振動等によりネジの緩みが進行し、脱落したものと推定された。
 対策として、接続部のネジ廻り止めを全数ポンチ止め方式から廻り止め効果が確実に機能するピン止め方式に取り替えた。(今定期検査前では7体がポンチ止め方式で、計画外の3体含め全数取り替えた。)<平成9年11月6日記者発表済>

4.

圧力管モニタリング作業中の原子炉冷却水漏えい(図−3参照)
 圧力管供用期間中検査として、圧力管検査装置を圧力管内に装填する操作を行っていたところ、圧力管から原子炉冷却材が漏えいした。
 原因は、検査装置ラッチ機構部に微小な異物が混入し、検査装置が圧力管に正常に取り付けられなかったためと判明した。
 対策として、異物混入防止のための作業改善を行うとともに、作業前にラッチ機構部の動作確認を行うこととし、手順書等の変更を行った。
 対策実施後、引き続き圧力管供用期間中検査を行い、圧力管15本について健全性を確認した。<平成9年10月27日記者発表済>

5.

次回定期検査の予定
 平成11年 冬頃